瓶入りチーズケーキ、出た!  
DOREの新製品

 一見プリン、実はチーズケーキ。北海道のチーズケーキ「LeTAO」とコラボした「DORE by LeTAO」の新製品だ。名前は「フロマージュ・ポット(Fromage Pot)」。

 ガラスの瓶入りの、1人分の食べ切りサイズ。手軽にテイクアウトできるし、カットする手間もなくて食べやすい。「ピンク・ベリー」「チョコミント・タングル」「バナナ・フリップ」などの6種類を揃えた。

 「チーズケーキは繊細な温度管理が必要なため、これまではホールケーキのみを販売してきた。しかし、お客様からはカットケーキなどの別の形で販売してほしいという声が多く、安心して持ち帰ることができる物を作りたい、という思いから実現した」と、共同創設者の河越信太郎さん。

 1個4万ルピア、2個7万8000ルピア、4個15万ルピア。

 

DORE by LeTAO/プラザ・インドネシア、プラザ・スナヤン、モール・クラパガディンなどに5店/dorebyletao.com。

 

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チーズケーキ食べ比べ“クロス”座談会

インドネシア全34州の旅 #12 
パプア州 ①国境編(ジャヤプラ、メラウケ) 
国境の看板の向こうは熱帯雨林

文・写真…鍋山俊雄

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赤=今回の旅行先。ピンク=すでに掲載済みの州

 これから5回に分けて、魅惑の地パプアについて書いていく。

 バリやジョグジャカルタといった定番の観光地から一歩を踏み出して、インドネシア各地に足を延ばしていく中で、気になってくるのがパプア州である。面積世界第2位の大きな島の形と関係なく真ん中でスパッと国境線が引かれている、インドネシアの東端。多様な文化と民族を持つ島嶼国家インドネシアの中でも、ジャカルタからの距離や、時差が2時間あることから、パプアはとりわけ「異国感」が漂う。旅をしたインドネシア全34州の中でも特に印象深いのが、このパプア(パプア州、西パプア州)だ。

 私は4度ほどパプアを訪れている。初めて行った時は西パプアのソロンに入り、ジャヤプラ—ワメナ—メラウケと巡ったが、今回は「国境編」として、ジャヤプラとメラウケでまとめてみた。

 空から見たパプアの最初の印象は、「熱帯雨林の大きな大地」だった。ジャワ島やスラウェシ島なら水田が見え、カリマンタンやスマトラ島ならパームヤシの整然としたプランテーションが見えることが多いが、パプアは山と熱帯雨林が眼下に広がる。

 インドネシアの地図で右上端にあるジャヤプラはパプア州の州都だ。オランダ時代に「ホーランディア」と言われ、太平洋戦争時には激戦地となった。この時は翌日のワメナ入りを控え、乗り継ぎでジャヤプラに1泊した(ワメナの話は次回)。

 正確に言うとジャヤプラに空港はなく、そこから車で1時間ほど離れたセンタニにある。せっかくなので近隣の観光地へ行こうと空港から寄り道したのが、空港のすぐ近くにあるセンタニ湖の水上家屋だ。

 きれいな山肌に囲まれた静かな湖岸に寄り添うように水上家屋が並んでいる。舟で、湖の中の小さな島に上陸した。お土産売りのおばさんが、木の皮に描いた絵を売りに来た。島の子供たちが物珍しそうに寄って来る。皆、褐色の肌で髪の毛はチリチリで、くりっとした目が印象的である。小高い丘には教会があり、その丘から眺める風景は素晴らしい。

nabeyama_papua_センタニ湖の湖畔の水上家屋4

nabeyama_papua_センタニ湖の湖畔の水上家屋3 nabeyama_papua_センタニ湖の小島て?お土産売りのおは?さんと

 湖畔のレストランで昼食を取った後、ジャヤプラの街に向かった。ジャヤプラは山に囲まれて海に面した街で、山の頂にある「JAYAPURA CITY」の大きな看板が目に入る。

nabeyama_papua_シ?ャヤフ?ラ市内の風景

nabeyama_papua_シ?ャヤフ?ラ市内 住宅街 nabeyama_papua_シ?ャヤフ?ラ市内2

nabeyama_papua_シ?ャヤフ?ラ市内 港

ジャヤプラ市内の港

 ホテルの近くに伝統市場があると聞いて行ってみた。野菜や魚介類を取り扱っているのはほかのインドネシアの街の市場と同じだが、ひとつ、大きく違うことがあった。それは「雰囲気」である。

 今までインドネシア各地を巡っていて、自分が外国人であると感じさせられることは少なくない。それでも、外国人の私に対して話しかけてきたり、笑いかけたりと、和やかな雰囲気となる。しかし、ここは明らかに違っていた。皆の口数は少なく、ただじっと見ている視線を感じる。学生時代に、黒人の多いエリアのニューヨークを歩いた時の気分だ。一言で言えば、緊張するのである。

nabeyama_papua_シ?ャヤフ?ラ市内の伝統市場2 nabeyama_papuaシ?ャヤフ?ラ市内の伝統市場3

 市場を出て夕暮れの街中を歩いたが、やはり、ジャワの街並みとは雰囲気が違う。パプアにも、ジャワ、スラウェシなど、他島からの移民はいるのだが、街中を歩いていると、あまりそれは感じない。ショッピングモールに行くとジルバブを被った女性が増え、なぜかホッとした気分になった。

nabeyama_papua_シ?ャヤフ?ラ市内のモール nabeyama_papua_シ?ャヤフ?ラ市内の女性

 空港から乗ったタクシーの運転手にも、「ジャヤプラの一部の地域は、夜は酔っ払いが増え、治安が悪くなるので、外国人はあまり夜間は出歩かない方がいい」と言われた。当然と言えば当然だが、ジャワ島でも、カリマンタンやスマトラ島地域でも、ムスリムが多いため、酔っ払いの話はほとんど聞かない。スラウェシ、ヌサトゥンガラ、マルク、パプアと、キリスト教徒が増える地域になると、街中のスーパーでもビールなどのアルコールの取り扱いが増え、酔っ払いに関する情報も増えてくる気もする(断っておくが、それがすなわち「治安が悪い」という意味ではない)。

 ショッピングモールの裏手には、山の斜面に民家が群集している。生活感を感じるために歩き回りたかったが、もう夕暮れだったので、運転手の忠告に従い、ホテルに戻った。

 ジャヤプラはパプア北端の国境の都市だが、ジャヤプラから2時間ほど車で東に行くと、パプアニューギニアとの国境の街があり、そこにはインドネシア、パプアニューギニア双方の買い物客で賑わう市場があるそうである。その時は時間がなかったので行かなかったが、「端っこ好き」としては気になる所である。

nabeyama_papua_メラウケ空港

メラウケの空港

 地図上でパプア南端の国境がメラウケである。メラウケの名は、昔、この地に駐留したオランダ軍が地元のマリンド族にこの地の名前を訪ねたところ、彼らはそこにある大きなマロ川の名前を答えたそうで、その返答の言葉を元にメラウケとなったらしい。

 メラウケに行く目的はただ一つと言って良い。インドネシアの国土を表す言葉、「サバンからメラウケまで」の「メラウケ」。両方の場所に双子の石碑があり、すでにサバン(アチェ州)にある西端の石碑は見ているので、東端の石碑を見に行くことが目的だ。

  南部の国境地帯には広大なワスル国立公園がある。地理的に北部オーストラリアと似ているため、インドネシアでは珍しい、大きな蟻塚やワラビーを見ることができる。野鳥ウォッチングでも有名な場所だそうだ。

 メラウケは、これと言って目立つ物もない街並みであった。ホテル周辺から港の方まで歩いたが、大きな教会が一定区画ごとに目につく以外は、これといって面白い物はない。

メラウケ空港近くにある巨大なキリスト像

 街の一角に、スハルト大統領時代に建てられた「パプア統合記念碑」があった。ジャヤプラの街中でも似た物を見かけた。独立論の絶えないパプアであるが、地元の人たちはどのような思いでこれを見ているのだろうか。

 メラウケはワニ皮製品が特産品で、ホテルではワニ皮のゴルフバッグを売っていた。ホテルの近所にもワニ皮製品のお土産屋があり、記念に財布を購入した。

 翌日はメラウケから一直線に、パプアの国境の街ソタに向かって車を走らせた。ワスル国立公園に入ってからは2時間以上も真っ直ぐな道を結構なペースで走って、ようやく、小さな村ソタに到着。そこから、パプアニューギニアの国境を示す看板があるエリアをしばらく散策した。

 国境と言っても壁があるわけではなく、看板の向こうには熱帯雨林が広がっている。そこから約8キロ行けば、ここから最も近いパプアニューギニアの村に着くそうだ。国境があると言っても、地元の人は簡単な手続きだけで国境を行き来できるとのことである。国境を挟んで、同じ部族で親戚関係のある家族も多いらしい。

nabeyama_papua_PNGの国境地域

「インドネシア語が国家統一を守る」という看板

nabeyama_papua_PNGの国境 nabeyama_papua_PNGとの国境1

 ソタの街角でついに双子の石碑を発見し、広大なインドネシアの東西を訪問した踏破感に浸る(と言っても横断したわけではないが)。

 車が通る舗装道路からは、なかなか野生動物は見られないが、非常に目につくのが蟻塚である。高い物になると3〜5メートルになり、森の中や、道路沿いのあちこちで、古代遺跡のようにそびえ立っている。同じような蟻塚はオーストラリアやアフリカでも見られるそうだ。また、この蟻の巣は地元の薬の材料になるらしい。

 ワラビーなどの野生動物は道路近くには現れないので、運転手が公園内のRawa Biruという小さな村に連れて行ってくれた。公園内の湿原に面した、運転手の知り合いの家では、ワニやワラビーも庭先で飼っていた。

nabeyama_papua_ワスル国立公園の蟻塚4

nabeyama_papua_ワスル国立公園内の池。地元民のフ?ール代わり

ワスル国立公園内の池。地元民のプール代わり

 メラウケの街に戻り、海岸や大モスクを一通り、案内してもらった。メラウケの海は褐色で、波も荒めだ。この海の向こうはオーストラリアである。改めて地図で見ると、ジャワ島もジャカルタも遥か遠くだ。むしろ、お隣のパプアニューギニアや北部オーストラリアがすぐ近くにある。西端のサバンで見たインドネシア地図と随分、風景が違う。

nabeyama_papua_メラウケの海岸

メラウケの海岸

 翌日、メラウケからジャカルタまで直行便で帰った。直行便なので、直接ジャカルタに向かうのかと思っていたら、実はジャヤプラ経由であり、ジャカルタまで直角三角形の二辺をなぞるようなコースとなり、実質的には8時間近くも機中にいた。改めてインドネシアの広さを実感した旅だった。

 

 

鍋山俊雄(なべやま・としお)
インドネシア在住期間は計11年になる。仕事でジャワ、カリマンタン、スマトラへの出張が多いことに加えて、「週末弾丸トラベラー」としてインドネシア各地を放浪し、全34州を訪問した。

 

インドネシア全34州の旅
#0 空港
#1 北スラウェシ州 インドネシアの最北端?
#2 アチェ州 インドネシア0キロ地点と津波の跡
#3 ブンクル州 英国の砦、スカルノの足跡
#4 南カリマンタン州 川の街の水上マーケット
#5 バンテン州 バンテン王国跡へ、列車の旅
#6 西カリマンタン州 春分の日に赤道へ 影がなくなった!
#7 南東スラウェシ州(上) 波の音しか聞こえない、ぜいたくな空間
#8 南東スラウェシ州(下) インドネシア最大級、ブトン王国の城壁都市。
#9 バンカ・ブリトゥン州 アホック前知事の故郷、「ラスカル・プランギ」の島。
#10 リアウ諸島州 最北端の島の1つ。石群が織りなす造形。

#11 西スラウェシ州 トラベラーの中でも「まだ行ってない」率が高い。

インコ侍 12 
戈を止める

 インコネシアの屋台の引き出しに飛び込み、時空を超えて、日本の戦国時代、前田鳥家(まえだ・とりいえ)の居室にある机の引き出しから飛び出した噛虎(かみとら)たち。

 「ドカーン!」

 「ぐえっ!」

 「しーっ、どうして静かに出て来ることができないのだ、オカメもん!」
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 「何か物音がしたぞ!」

 次の間で居眠りをしていた鳥家の従者が起きて来たが、風雷坊とカピ蔵が音もなく近寄り、当て身をくらわせて、また眠らせた。

 噛虎は、突然のことに目を丸くしている鳥家と向き合った。

 「鶴々丸、久しぶりだな」

 「おトヤ……」

 お互いを幼名で呼び合うふたり。

 子供のころ、同じ師に武術を学んだ幼なじみの間柄だったのだ。

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 「たいそう、偉うなられたな」

 「ふふ、皮肉か、おトヤ。なぜこのような場所におる」

 「細かいことは後だ。まつりごとの話がしたい。公式の場では、なかなかおぬしと腹を割った話をすることはできぬからな」

 「ふむ……」

 「おぬしは今、丸腰。余は脇差を帯びておるが、このように金具を付け、抜けないようにする。話し合いの折に相手を傷付けないという証の作法じゃ」

 噛虎は、さやに金具を付けた、あのクリスを鳥家に見せた。

 「主君たるもの、簡単に剣を抜いてはならぬ。ただ、どうしても、ならぬものはならぬ時もある。その時は……」

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 噛虎は鳥家の目をしっかと見つめて叫んだ。

 「この金具を噛みちぎり、そなたを斬る!」

 鳥家は噛虎の裂帛の気合いに圧され、言葉を失った。

 「おぬしはわが国を小国と侮り、武力で抑え込めると思って挑発を繰り返しているのであろう。だがな、われらが、ひとたび決めた相手に死ぬまで忠義を尽くすコザクラインコだということを忘れるな」

 噛虎はニッと笑い、つづけた。

 「われらを思い通りに動かすことは容易ではないぞ。敵と見れば、相手の大きさなどは関係ない。われらはしつこさにかけては他の鳥の追随を許さぬ」

 「むう……」

 「長い間、双方に多くの血が流れることを覚悟せよ。出口のない戦で消耗している隙に、天下統一を目指すあの大名に攻め込まれても良いのか?」

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 「ううむ……」

 「そこで交渉じゃ。われらの領土と自由を『安堵(あんど)』せよ」

 「……ふむ。土地の所有権、知行権を保障し、保護せよ、と」

 「われらはおぬしたちと違い、全国に領土を広げることにまったく興味がない。軍事力に差はあるとは言え、われらを敵に回すと相当、面倒くさいが、われらの自由と自治を保障し協力関係が出来れば、おぬしにとって魅力的なこともあるぞ。

 余は以前より鳥種の垣根を超えて、武芸者や忍びの優秀な者を招いてきた。雷鳥の修験者は全国でひそかに測量を行い、カピバラ忍者は行商の形で全国に情報網を築いている。彼らは余と強い忠誠で結ばれており、余以外の誰の指図も受けぬ。

 小さい国が生き残るには、何より情報を制することが重要ゆえ、力を入れてきたことじゃが、この情報網は、おぬしにも、喉から手が出るほど必要なものなのではないか?」

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 「ふっ、はっはっはっは……」

 鳥家は笑い出した。

 「まったく、おトヤ、昔からおぬしには勝てたためしがない。承知した」

 鳥家は、当て身から気が付いた従者に命じた。

 「噛虎殿を書院にお通しせよ。祐筆(書記)を呼べ」

 「ははっ」

 そして、噛虎に向き直った。

 「おぬしとひさしぶりに話をして、われらの師のお言葉を思い出したぞ」

 「戈(ほこ)を『止』めるのが、『武』だとな」

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 鳥家と噛虎は目を合わせ、ほほ笑んだ。

 「さ、書院にまいろう。多くの命を預かるわれらの、『仕事』をしようではないか」(つづく)

 

バックナンバー

インコ侍 0 時間旅行へ出発!
インコ侍 1 戦国時代
インコ侍 2 忍者と勝負
インコ侍 3 秘密作戦
インコ侍 4 出城に潜入
インコ侍 5 寺の井戸
インコ侍 6 必殺技
インコ侍 7 捕らわれの姫
インコ侍 8 インコネシア
インコ侍 9 光と影
インコ侍 10 聖なる剣
インコ侍 11 贈り物
 
 
こまつか苗(こまつか・なえ)
ペンギン・インコ陶作家。京都の清水焼の工房で陶絵付け職人として10年働いた後、大阪の自宅に開窯し、ペンギンとインコをモチーフにした陶作品(時々、カピバラ)を制作している。本職とは違うものの、イラストと文章による「らくがきドラマ」、「ラグビーポジション・インコ解説」などを発表し、好評を博す。