文・写真…プトリ・スシロ、翻訳…+62編集部
Text & photo by Putri Soesilo
ジャングルで迷子になったら、パニックになる。でも、東京で迷子になっても、パニックになる必要はない。ポケットに「ペンギン」がいれば、ね。ペンギンの絵入りのスマートカード、「スイカ」。これがあれば、大体、どこへでも行ける。
「スイカ」を買うのは簡単だ。電車の駅の券売機で、言語を「English」にする。お札を入れて、金額を選ぶ。3日間ぶらぶらするには、5000円もあれば十分だ。もし足りなくなれば、追加でチャージできる。では、スイカを手に、東京散歩に出発!
まずは、泊まっている吉祥寺から、「藤子F. 不二雄ミュージアム」へ。ここを見学してから、東京散歩を開始した。
いったん新宿に戻ってから、渋谷へ。世界一有名な犬、ハチ公に会うためだ。皆が「日本へ行ったら、渋谷でハチ公と一緒に写真を撮らなきゃ」と言うので、行ってみることにした。
ハチ公の像はすぐに見つかった。駅から出てすぐの所に、人々が周りを取り囲んでいて、順番に写真を撮っている。「美しい公園の中に、立派な像がある」と思っていたので、駅の前にある小さな像は、ちょっと期待外れだった。何枚か写真を撮れば、それでおしまいだ。渋谷は有名な「交差点」で象徴される通りに、忙しすぎる。すぐ、次の場所へ移動することにした。
続いて向かったのは、上野。「上野がいいよ」と言う人はめったにいないので、逆に、どんな場所か気になったのだ。
広い公園に、ヨーロッパ風のブロンズ像があちこちにたたずんでいる。博物館、美術館に、映画館もある。公園のベンチに座り、夜が近付いて、ランプがほのかに明るくなってくる夕暮れ時を楽しんだ。人々がベンチに座っておしゃべりをしたり、寝ていたり、犬の散歩をしている姿を見るのも面白い。
東京国立博物館を見てから、吉祥寺へ戻るつもりだったが、ふと見たら、「スカイツリー行き」と書いたシャトルバスが停まっている。行き先を変更し、急いで乗り込んだ。「スイカ」のタッチを忘れずに。もう夜なので、乗客は3人しかいない。
夜のバスの中から、上野、そして、浅草の風景を眺めた。20分ほどでスカイツリーに到着。
「もう閉まってしまうのではないか」と思ったので、急いでチケット売り場へ。並んでいる人も少なく、すぐにチケットは買えた。チケットの値段は2060円。うーん、高い……。しかし、エレベーターに乗って展望台に着いたら、「値段が高い」という考えは吹き飛んだ。少しも迷わずにチケットを買い、展望台に上がるべきです。
地上634メートルの展望台。エレベーターの速さにも驚いた。飛行機が離陸する時のように、ぐんぐん上昇する。
展望台からは、東京の素晴らしい夜景が一望にできる。星をちりばめたような街の美しい灯りが、東京の暗い空の中に浮かんでいる。東京の街がミニチュアのように見えた。
係員が夜景をバックに、記念写真を撮ってくれる。かけ声はもちろん、「ワン、ツー、スカイツリー!」。