【インドネシア居残り交換日記】 Day 2 横山裕一(ジャカルタ)  2020年4月6日 マスク越しの会話

【インドネシア居残り交換日記】 Day 2 横山裕一(ジャカルタ)  2020年4月6日 マスク越しの会話

2020-05-02

 この日は電気・水道代の振込日。アパートのカスタマーサービスに金額を確認しに行く。金額の示された紙を受け取る。しかし、アパート地下のモールにある振込指定銀行、BCAの支店が3月末から閉鎖されている。電気・水道代の振込指定口座はBCAのカードでしかATMで振り込めないという。自分はBNIの口座カードしか持っていない。どうすればいいか尋ねる。

 「他の営業しているBCAに行ってください」と担当のお姉さん。
 「でも今、出歩いちゃダメでしょ?」
 「そうねぇ、あなたの銀行は?」
 「BNI(ベー・エヌ・イー)」
 「BRI(ベー・エル・イー)?」
 「いやBNIです」
 「ん?BRI??」

 お互いマスク越しのため、モゴモゴとした会話が繰り返される。

「B・N・Iだよ」

 隣の窓口担当者が笑いながら同僚に教えて、奇妙な会話に終止符。
 その後彼女が提案する。
 「部屋のオーナーに振り込んでもらったらどう?」
 それもそうだが、ちょっと面倒だったので、駄々をこねてみる。
 「うーん、大家さんに面倒かけるのかぁ」

 するとなんの事はない、他の銀行カードでもATMで振り込めるアパート口座があることがわかり、それで解決。もしかしたら、普段使わない緊急用の口座だったのかもしれない。ATMへ行った後、念のため振込済みのシートをお互いにコピーして終了。部屋に戻ると、マスクの形だけ異様に汗をかいていた。

アパート地下にあるモールは銀行を含めてほとんどが閉店

横山裕一(よこやま・ゆういち)
元東海テレビ報道部記者、1998〜2001年、フジニュースネットワーク(FNN)ジャカルタ支局長。現在はジャカルタ在住で取材コーディネーター、フリーライター。現在、+62に「インドネシア映画倶楽部」を連載中。

【インドネシア映画倶楽部】第25回  番外編「#自宅待機 (#dirumahaja)」
文・写真 横山裕一  新型コロナウィルスの感染拡大で、ジャカルタが緊急対応として自宅待機要請が始まって一週間余り。同時に映画館を含めた娯楽施設も閉鎖となり、同稿…
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