インドネシア人俳優の中でも際立つ「アスリート体型」で知られるランディ・パガリラさん(29)。昨年公開されて話題を呼んだ映画「我が素晴らしき肉体の記憶(Kucumbu Tubuh Indahku)」では、主人公が思いを寄せる、賭けボクシングの拳闘士役を鮮烈に演じた。映画でも披露したその見事な肉体は、10年余りもの間、実践している健康法の成果だ。ランディさんの健康法は、ジムへは行かずに自宅で行う運動と、自分で決めて実践している食生活。「自宅で」、「自分で」、意志を持ってやる。「コロナ時代」を先取りした健康法と言えるかもしれない。(文・池田華子、写真はランディ・パガリラさん提供)

randy pangalila

 「シックスパックは3カ月にしてならず、ですよ」とランディさん。

 ランディさんは子供のころ、ヘビーな運動をしては無節操に食べる、という生活をしていた。15歳の時にスラバヤからジャカルタへ上京し、いろいろオーディションを受けるが、ネックとなったのが、太り気味だった体型だと言う。「よく、『チャビー(ぽっちゃり)だね。運動しなよ』と言われた」と話す。

 そこから、試行錯誤を始める。しかし、やり方はめちゃくちゃで、卵と牛乳だけを食べていたこともある。運動トレイナーに聞いたり、本を読んだりして情報を調べ、トライアル&エラーを繰り返し、2008年に自分なりの「システム」を編み出した。しかし完全に守っていたわけではなく、よく「ズル」をしていたが、2010年からその効果を感じ始め、それからはまじめに実践している。

 減量や筋肉を付けるといったフェーズは終わり、現在は、身長175センチ、体重68〜69キロという「自分にとって理想の体型」を維持することが目標。「ランディさん流の健康生活」とはどんなものか、見てみよう。

コップ一杯の水、果物、卵、コーヒー

 朝起きて、まずは、水をコップ1杯。これは寝ている間「断食」していた体を「オン」にするためのものだ。それから、ビタミンと肝油を飲む。

 体がまず吸収することになる、最初に食べる物は重要だ。ランディさんは果物を食べる。果物なら何でもいいが、ランディさんのチョイスはリンゴ。大きい物なら1個、マランのリンゴのような小さい物なら2個食べる。

 次に、卵2個。料理方法は何でも良く、ゆで卵でも卵焼きでも目玉焼きでも、何でもOK。「私は食べませんが、もし炭水化物が欲しければ、全粒粉のパンを1枚、どうぞ」。

 それから、ブラックコーヒー。カフェインは脂肪を燃焼する効果があるという。ちなみにランディさんは、はやりのボバ(バブルティー)もアイスティーも、カロリー過多になる甘い飲料は飲まない。

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 食事の後は、運動。以前はジムで運動していたが、撮影などの仕事が不規則に入るため、毎日ジムへ通えないのが悩みの種だった。そこで、ウェイトや機械なしで自宅で行う運動方法を模索し、今はそれを毎日、続けている。普通は1時間ぐらいだが、「運動は趣味。楽しいので」、2時間ぐらいすることもある。昼間に仕事が入った時は、夜に運動をする。

プロテインと野菜

 2回目の食事は、1回目の食事の6時間後。仕事の時間が不規則で、就寝時間も起床時間もまちまち。このため、「朝食、昼食、夕食」ではなく、「最初の食事、2回目の食事、3回目の食事」と呼んでいる。「昼食、と言うと、昼の12時ごろに食べなければ、と思ってしまう。朝遅く起きて午前10時に朝食を取り、昼12時にまた食べていたら、間隔が短すぎで、食べ過ぎになってしまいますから」とランディさん。

 2回目の食事の時までに空腹になれば、水をたくさん飲むか、リンゴやバナナなどの果物を食べる。「お薦めはバナナです。でも、一房全部とかはダメですよ。1本だけ」。

 「2回目の食事」は、プロテインと野菜。この時は、何でも好きなプロテインの食事をたっぷり取る。「サテ・アヤム(鶏の串焼き)、アヤム・バカール(焼いた鶏)、ステーキ、焼き魚、刺身、何でもいいです。私は刺身が好きです。おなかがいっぱいになるように、野菜もたっぷり食べます」。パン、ご飯、芋などの炭水化物は取らない。その代わり、プロテインや野菜の量を増やす。例えばサテだったら、通常は10本1皿だが、2〜3皿(20〜30本)を食べる。

オートミールと牛乳

 その6時間後が「3回目の食事」。この時は、オートミールと牛乳だけ。寝る前に空腹になれば、再びオートミールを食べる。

 友達と外食する時も、果物を自分で持参するか、メニューの中から果物を注文する。飲み物は、ブラックコーヒーか、砂糖抜きのお茶(テ・タワール)。

 基本的に「ズル」はしないが、家族の誕生日祝いなど、どうしても避けられない時は「緊急事態」として、上記以外の食事も解禁する。しかし、解禁するのは丸一日ではなく、その一食の1時間だけと決めている。

 現在の目的は「減量」ではなく「維持」のため、ココナッツミルクや油は、あまり気にしていないそうだ。

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 この生活を始めて最初の3カ月は、「死にそうなほどの倦怠感で、眠いし、怒りっぽくなった。エネルギーが足りない感じだった」と言う。3カ月後から、体が慣れてきて、体重が減り、筋肉が付いてきた。今では「空腹感にも耐えられるし、体が軽くなった。ずっと活動していられる。病気にもかかりにくくなった」と、その効果を感じている。「最初の3カ月が最もキツいと思います。最も大変で、重要なのは、続けることです」。

 「これはダイエットではないし、強制されたものでもありません。私のライフスタイルです」とランディさん。

 「私はずっと健康でいたいし、俳優という仕事上の責任からも、ずっと良い体型を維持しておきたいのです。映画でも写真でも、いつでも撮影の準備が出来ているようにしておきたいです。『はい、撮影します』という時に『体をつくりますから、あと3カ月待ってください』とは言えませんから」

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Randy Pangalila(ランディ・パガリラ)
1990年10月19日、スラバヤ生まれ。オランダ、マナド、ジャワの混血。モデルとしてキャリアをスタートし、歌手、俳優として活躍する。数多くのテレビドラマや映画に出演。映画「我が素晴らしき肉体の記憶(Kucumbu Tubuh Indahku)」では、2019年インドネシア映画祭で助演男優賞ノミネート。29歳。

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