文・写真…湯浅雅史

 

<1日目>
A 区間  
 クタからは海岸線を走る確かなルートがなく(海へ行っても道がすぐに途切れる)、内陸を走るしかない。曲がるポイントが多く、案内標識もなじみのない地名なので、土地勘がないと迷う。市街地はジャカルタと同様に交通量が多く、渋滞も。気温が高い中、排気ガスとエンジンの熱気でバテる。朝早くに出発して、涼しいうちに市街地を抜けるべき。市街地は約13キロ強で抜けられる。そこからはアップダウンが厳しくなり、どんどん上る。峠を越すと、棚田が広がる景色の中、海に向かって山を下る。思わずテンションが上がるポイント。

B 区間
 ここからは、左に海を見ながら走れば良いので、道に迷う可能性は低くなる。海風は強いが、交通量が減るので走り易い。しかし、緩いアップダウンが意外に体力を奪うので、ペースに注意。

<2日目>
C 区間
 田園地帯が広がり、大きな街路樹でトンネルのようになった美しい道を走る。緩いアップダウンが続き、海は時々しか見えなくなる。交通量は少なく走り易いが、時々、対向車が追い抜きで車線オーバーして来るので、注意。

D 区間
 北側の海岸線に入ると、海が穏やかになり、交通量はさらに減る。コンビニがなくなるが、住居を兼ねた店が約200メートルごとにあり、飲食の不自由はほぼない。海が見えたり隠れたりするルート。海が隠れるとアップダウンが現れる。宿泊したロビナ周辺はイルカ・ウオッチングや温泉などの観光客で賑わう。

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<3日目>
E 区間
 漁村で、観光客は皆無。民家は切れ目なくあり、道端にはヒンドゥー教の彫刻がたくさん見られる。海がきれいだが、見とれないように前方注意。犬や鶏がフラフラと道に出て来て、あわてて避けることが何度かあった。この区間は山側の景色も見ごたえがあり、火山性のダイナミックな地形が素晴らしい。

F 区間
 激坂を越えて入るアメッドはダイビングスポットとして賑わい、長期滞在中らしい欧米人の姿も見かけた。大きな山裾の地形になっており、急な坂が多くなる。若干、道幅が狭くなり、路面が荒れるが、走行に支障はない。この付近はなぜか子供の数が増える。学校も多く、夕方や早朝は子供を学校に送迎するバイクが多い。

 

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<4日目>
G 区間
 バリ島最大の難所。海岸線に沿って九十九折れのアップダウンが約30キロ続く。しかし、景色も最大の見所。峠を上り切ると見える水平線、弓なりになった海岸線が絶景。海がきれいだが、見とれないように前方注意。この辺りは道幅の変化や路肩の荒れがあるので、安全運転で。犬、豚、牛、ヤギ、特に鶏の飛び出しにも注意。事前の地図確認では「道なりに進めば良い」と見ていたが、道幅が同じの分かれ道が多く、どちらに進めば良いのか、止まって確認したことが数回あった。

H 区間
 「A 区間 」の前半とほとんど変わらない市街地。交通量が増え、海は波が荒い。暑さも南側の方が厳しく感じる。バイク渋滞もあり、ジャカルタと同様の走りにくさ。デンパサール空港周辺は案内標識がわかりにくく、道を間違えて引き返したこと2回。バリイチで唯一、道を間違えた区間だ。方角と距離を確認しながら慎重に走ることがポイント。

 

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Q:なぜ左回り?
A:自転車は左車線を走るので、海側の良い景色を楽しめるからです。あと、いきなりバリイチ最大難所の「G区間」には行きたくないから。

Q:コース割りは均等?
A:大体、均等割りにし、その日の目的地には外国人も宿泊可能なホテルのある場所を選びました。ヌガラ、ロビナ、アメッドに宿泊。

Q:日程短縮も可能?
A:「できることはできる」のですが、「それが楽しいか?」は別問題。朝から夕方まで走ることになります。実際、午後1時〜2時ごろは暑くて走れません。それに比べて、朝はひんやりとして寒いぐらいで、快適です。余裕を持つなら、やはり1日100キロ。朝のうちから3〜5時間走って、昼過ぎに目的地に着き、ゆっくりご飯を食べて、十分に休憩もできます。

Q:装備、持ち物は?
A:重いので、持ち物は最小限。道中、自転車(特にロードバイク)はほとんど見なかったので、ロードバイクの店はないと考えるべき。よって、パンク修理道具、チェーン継ぎ手、チェーンオイルなど、部品・道具は携帯必須です。それ以外は、パジャマ、ゴム草履、洗面道具のみ。着ているジャージは毎日、ホテルに着いたら洗濯です。

Q:走行ルートは?
A:海岸線を走るので迷わないだろう、と考えるのは甘いです。特に南側は地図がないとムリ。土地勘がないので、方角と距離を確認して走るのが基本です。私は事前にグーグルマップスを印刷して、ルートを色分けした地図を作成しました。各要所までの距離を入れ、コンパスとGPSの現在地情報も併用して、「あと2.5kmで右折だな……」と確認しながら走りました。ちなみに、信号は「A」、「H」両区間しかありません。

Q:注意点は?
A:非常に暑く、ジャカルタより体感温度は上です。水を買える店は多いので、携帯する水をボトル2本にして、1本は適度に体を濡らす冷却用にするのが良いかも。車、バイク、飛び出して来る犬や鶏などに注意。地元のバイクは対向車をエンジン音で認識するので、無音で進む自転車は目立たず、自分が気を付けていても、もらい事故の可能性があります。

 

バリイチ 自転車バリ島一周

ミラグロ ジャカルタの街を走り抜ける

 

d-8湯浅雅史(ゆあさ・まさし)
子供のころから自転車が好きで、2010年に赴任したジャカルタでも自転車に乗り始めて「路地裏ポタリング」にはまる。2012年にロードバイクを購入し、「ジャカルタ自転車部」に入部。同部の広報担当。55歳。