11月7日

 高岡銅器発祥の地、金屋町へ行ってみた。石畳の道の両側に、昔ながらの千本格子の家が建ち並ぶ。

 「鋳物資料館」がピンと来ず、ぶらぶら歩いていて「大寺幸八郎商店」という店に入った。鉄と青銅の鋳物にも昔ながらの良さがある。Yは鉄の風鈴を「音がいい」と気に入って買った。真鍮の風鈴は高くて涼やかな音だが、鉄はもっと温かく、広がりのある音がする。私とQは、富士山の形をした鉄の文鎮を買った。

 当主は現在6代目で、5代目の妻が大寺雅子さん。ここには藪内流の茶室があり、外国人客に限り、予約すれば点前をしてくれる。日本でも茶室がある家は珍しく、茶室で点前が受けられるのはめったにできない経験だろう。大寺さんは着物姿で、高岡の老舗の上生菓子を用意して、お茶をたててくれるそうだ。
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 「先代は、『朝早い時間から、するべき仕事をして、仕事は5時でしまえ。そこからは自分を磨く大切な時間で、習い事や稽古事をするべき。それが商売にも結び付く。時間に追われているとギスギスしてくる』という考え方でした。親方と職人さんが仕事の場を離れて、お茶を飲みながら四方山話をする、ということもあったようです」と大寺さん。なんと優雅で豊かな暮らしだろうか。

 外国人客に点前をしているのは、「外国の人が、辺鄙な高岡にまでたどり着いてくださったのは、奇跡に近い出会いですから」。
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●大寺幸八郎商店/富山県高岡市金屋町6-9。Tel:+81(0)766-25-1911。メールootera@gmail.com。点前は1人1000円。茶室に一度に入れるのは7人まで、別の部屋も使うと12〜13人まで。木曜休み。要予約。www.ootera.com。

 
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