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 枡田酒造店の枡田さんは東岩瀬町の街づくりにもかかわっており、街を案内してくれた。古い廻船問屋の外観に作り替え、電線も隠した。ここに陶芸、木工、ガラス工芸などの作家が集まり、ユニークな工房を開いている。
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 木彫りの岩﨑努さんは祖父が木工、父が木彫り師の3代目。日本の伝統的な透かし彫りの技法を「欄間はなくなってしまったので」と現代に活かし、本物そっくりの朝顔や鶏を一枚の木から掘り出す。
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 仕事場に並ぶノミは、削り出し用に80本、仕上げに100本。彫りかけの腕が置いてあった。オーストラリア・シドニーのシェフの腕を注文を受けて作っているという。顔ではなく、「手の肖像」。自分の「腕」で生きるシェフにとっては、またとない肖像なのだろう。

 腕はシリコン型を取ってから、木に移す。指の形は元のままだと面白くないので、何かをつかんでいるような形にした。腕の根元の部分をどうしようかと考えていて、「朽ちかけた木を使おうかと思ったんですが、見つからないので、好きな花をシェフに聞いて彫ろうか、と思っています」。

 注文すると「1年半ぐらい、待っていただきます」とのことだ。

 ガラス工芸の安田泰三さんは神戸出身。生の葉を閉じ込めたペーパーウェイトが面白い。「葉をガラスの中に入れたらどうなんだろう?」という発想から、2年ほどかけて、50種類以上の葉を試したという。葉は瞬間的にガス化して気泡となる。細かい気泡が葉の形のままガラスの中に閉じ込められている。
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 ベネチアガラスの技法の、細かいレース編み模様のコップや皿は、非常に繊細で美しく、見飽きることがない。日本人的な細やかさが活きた作風だ。

 炉は1200℃で、ずっとつけっぱなし。火を止めたら炉が壊れてしまうので、2年に1度の点検補修以外は、すなわち2年間、ずっとつけっぱなしだそうだ。
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 枡田さんは以前、ドン・ペリニヨンの醸造最高責任者、リシャール・ジェフロワさんに「ヨーロッパには『ラグジュアリー』という言葉があるが、日本にはない。君たちはラグジュアリーが何か、わかっていない。君たちに任せていたら、日本酒は終わってしまう」と言われたそうだ。

 いやいや。日本酒、木工、ガラス。富山の東岩瀬町には「本物のラグジュアリー」が存在していると思う。
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dscf2052●木彫岩﨑/富山市東岩瀬町154-2。Tel:+81(0)76-437-7210。携帯+81(0)90-7080-9666。要予約。
 
 
 
 
dscf2088●Taizo Glass Studio/富山市東岩瀬町102。Tel:+81(0)76-426-9340。火木土11:00〜14:00。

 
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