オーブンに入れて焼くだけでメインらしい仕上がりになる鶏のグリル。今回ご紹介するのは、すべての調味料を分量「1」(大さじ1、1片)で合わせるだけのシンプルなたれに、しびれるような辛味が魅力の花椒を振った中華風の味付けです。
四川料理でよく使われる花椒は、日本の山椒とは異なる木。完熟の実を乾燥させたものです。花椒使いの王道は何と言っても麻婆豆腐ですが、揚げ物に振りかけたり、煮込みに使って深みを出したり、なかなか使い手のあるスパイスです。今回は、乾燥チリと一緒に粉にして、仕上げに振りかけました。さわやかな香りをダイレクトに感じられます。
花椒はスーパーマーケットのスパイスのコーナーで「Sichuan」や「Sechuan」、インドネシア語の「Bunga lada merah」の名前で売られています。使う前に一度チェックして、苦味の元となる黒い種は取り除いておいてください。
漬け置きのたれは、はちみつを使った少し甘めの味付けです。はちみつのおかげで、肉がしっとりします。紹興酒がなければ料理酒でも。
チキンに限らず、ほかの肉でもおいしく出来ます。たっぷりの野菜と一緒に焼いて、肉のうまみと野菜のうまみ、両方、楽しみましょう。
材料
鶏(ドラムスティック) 4〜6本
A 紹興酒 shaoxingjiu /sake 大さじ1
しょうゆ kecap asin 大さじ1
はちみつ madu 大さじ1
オイスターソース saus tiram 大さじ1
ニンニク bawang putih 1片
ショウガ jahe 1片
五香粉(あれば) bumbu ngo hiong 少々
お好みの野菜(カリフラワー、パプリカなど) sayur-sayuran 適量
花椒 Sichuan /bunga lada merah 大さじ2
乾燥チリ cabek rawit kering 2〜3本
準備
ニンニクとショウガはすりおろしておく。鶏は串やフォークなどで刺し、味が染みやすくする。
作り方
1.Aの材料をすべて合わせる。ビニール袋に鶏とともに入れ、揉み込むようにする。時々、揉みながら、冷蔵庫で1時間ほど寝かせる。オーブンを200℃に予熱する。
2.天板に1の鶏と、食べやすい大きさに切った野菜を並べる。残った漬けだれを回しかけて、オーブンで30分ほど、様子を見ながら焼く。串で刺した時の肉汁が透明であれば、焼き上がり。
3.花椒と乾燥チリをフードプロセッサーにかけておき、焼き上がった2に適量を振りかける。
西宮奈央(にしみや・なお)
イギリス出身の写真家の夫とバンドン在住。ご飯は食べるのも作るのも大好き。インドネシアで簡単に作れる料理をご紹介します。
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