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インドネシア映画倶楽部

映画「チュッ・ニャ・ディン」

インドネシア映画倶楽部 第31回 「チュッ・ニャ・ディン」(Tjoet Nja’Dhien) 
 1988年名作の再上映・アチェの女傑伝

文・横山裕一 新型コロナ禍の影響で映画館への入場者が伸びないためか、ジャカルタで映画館が再開して半年が経つものの、新作が未だ多くは公開されないのは残念な現状だ。しかし悪いことばかりではなく、今回のようにかつての名作が再上映されるのは嬉しいことである。 映画「チュッ・ニャ・ディン」は現在のスマト... Read More...
Pulau Plastik

インドネシア映画倶楽部 第30回 「プラスチックの島」(Pulau Plastik) 衝撃的な環境問題の現実も見つめるドキュメタリーロードムービー

文・横山裕一 断食月も残すところあと数日となった週末、久しぶりに映画館の上映情報をチェック。すると新作のインドネシア作品が上映されていることを知り、早速映画館へ。新型コロナウイルス流行禍で、2020年11月に映画館が再開したものの12月に新作が若干出て以来、ホラー映画か外国作品ばかりだったため、2021年最初... Read More...
science of fiction

インドネシア映画倶楽部 第29回 「サイエンス・オブ・フィクション ある男の騒動記」(SCIENCE OF FICTION Hiruk-Pikuk Si Al-Kisah) 
過去、現代社会を斬る示唆に満ちた快作

文・横山裕一 政界、財界、そして我々が生活する日常社会を含めて、現実の陰には裏の現実が潜んでいることがなんと多いことだろう。どちらが真実(ノンフィクション)でどちらが虚構(フィクション)なのだろうか。そんな事をあれこれと考えてしまうような示唆に富み、過去を含めた現代社会を批判した印象深い作品が「サイエンス・オ... Read More...
kemarin

インドネシア映画倶楽部 第28回 「昨日」(KEMARIN) 
 人気バンドを襲った津波の悲劇ドキュメント

文・写真 横山裕一 新型コロナウイルスによるパンデミックの影響でインドネシアの映画館も3月下旬から閉鎖となり、映画館での鑑賞ができなくなったが、ようやく10月中旬にCGVが再開、11月中旬には最大手のシネマ21が再開となった。再開当初はインドネシアの新作が上映されなかったものの、今月に入ってようやく新作映画が... Read More...

インドネシア映画倶楽部 第27回 番外編:リリ・リザ監督最新作 
「フンバドリーム」(HUMBA DREAMS) スンバの魅力溢れる青春映画(NETFLIX配信)

文・写真 横山裕一 7月9日から動画配信サービス「NETFLIX」で、リリ・リザ監督作品「フンバドリーム」の配信が東南アジア地域で始まった。2019年、ジョグジャカルタ、韓国・釜山などの映画祭での上映や一部の上映会以外では初めての公開となる。  「フンバ」(HUMBA)とは、東ヌサトゥンガラ州スンバ島の「スンバ」... Read More...

インドネシア映画倶楽部 第26回 「ワメナより愛を込めて」(CINTA DARI WAMENA) 
友を想うことの大切さ 
(TANAKHIR FILMS特別ネット配信より2013年作品)

文・写真 横山裕一 歌は魂に響き、歌詞は心を揺さぶる。楽しい時も苦しい時も、唇には歌を。友を想うが故に厳しいことも言い、好きな人を想うが故に別れることもある。主人公は歌う。「信じちゃいけない、夢は来たけどもう行ってしまった…」 本作品は、ジャカルタからみると遥か遠く、パプア州の山岳地帯、ワメナで繰り広... Read More...

インドネシア映画倶楽部 第25回 
番外編「#自宅待機 (#dirumahaja)」

文・写真 横山裕一 新型コロナウィルスの感染拡大で、ジャカルタが緊急対応として自宅待機要請が始まって一週間余り。同時に映画館を含めた娯楽施設も閉鎖となり、同稿も開店休業となってしまった。 ソーシャルメディアでは「#自宅待機(#dirumahaja)」と言うハッシュタグが飛び交い、ここ数日では自宅待機に... Read More...

インドネシア映画倶楽部 第24回 「メッカへ行くぞ」(MEKAH I’M COMING) 
大巡礼めぐるドタバタコメディ

文・写真 横山裕一 イスラム教徒にとって重要な意味を持つメッカ大巡礼をめぐってのコメディドラマ。中部ジャワ州の片田舎とジャカルタを舞台にドタバタ喜劇が続く。 自動車修理業を営むエディはエニと相思相愛。しかしエニの父親は反対で、娘を金持ちの男性と結婚させようとする。このためエディはエニを幸せにする誓いと... Read More...

インドネシア映画倶楽部 第23回 「野生のサイ、リキ」(RIKI RHINO) 
絶滅危惧の動物たちの冒険アニメ

文・横山裕一 数年前、西パプアのジャングルを取材していて、今更ながらふと気づいたことがあった。「そうか、子どもの頃世界の珍しい動物や秘境探検のテレビ番組、本を見て、憧れていた大自然のある国、インドネシアに今いるんだ」 日本では動物園でしか見ることのできない動物がまさに野生で生息している国。そんなインド... Read More...

インドネシア映画倶楽部 第22回 
番外編「MRTのある風景」

文・写真 横山裕一 2013年以降、年間100本以上が制作・公開されているインドネシア映画。映画はその時代ごとの社会や政治、流行などに影響され、映像に反映される。ジャカルタならではの風景でいえば高層ビル街やその夜景、渋滞もそうだろう。 こうした中、最近スクリーンで頻繁に姿を現しだしたのが、約1年前の2... Read More...

インドネシア映画倶楽部 第21回 「ミレア ディランの想い」(MILEA SUARA DARI DILAN) 
大ヒット三部作最終章・二人の恋の行方は

文・横山裕一 前作から早くも一年、「ディラン」シリーズの最終作が本作品である。第1作「ディラン1990」(2018年公開)では観客総数約632万人、第2作「ディラン1991」では約525万人を動員した。いずれも詳細データのある2007年以降で歴代2位、3位の観客動員数を記録する、大ヒット作だった。(前作はイン... Read More...

インドネシア映画倶楽部 第20回 「スムスタ・あらゆるもの」(SEMESTA)
気候変動に向き合う民族のドキュメント

文・横山裕一 環境破壊に伴う気候変動。この影響は赤道の約8分の1を占める範囲に国土・領海を占めるインドネシアでも深刻で、この作品では各地の民族、部族がいかに自らの伝統風習、文化、信仰のもと対応しているかを興味深い7つのエピソードとしてオムニバスで紹介している。 バリヒンドゥー信仰で生きる人々と、熱帯雨... Read More...

インドネシア映画倶楽部 第19回「草根の唄」(NYANYIAN AKAR RUMPUT) 
20年にわたる真実追求の声

文・横山裕一 いまや当然の権利であるかのような「言論の自由」。しかし、わずか20年前までのスハルト独裁政権の下では、政治批判しようとする者は当時の権力に抑えつけられ、多数の悲劇が起きた。 本作品は「ある若者」が20年前に起きた人権侵害の未解決事件「民主活動家13人行方不明事件」の解明を求め、言論の自由... Read More...

インドネシア映画倶楽部 第18回 「いつかこの物語をあなたに (NANTI KITA CERITA TENTANG HARI INI)」 
家族愛ゆえの葛藤と心に残るセリフの数々

文・横山裕一 正月第1弾から、見ごたえのある、心温まる作品が公開された。年始休みの時期だったとはいえ、2020年1月2日の公開から6日間で85万人を超える観客を動員した話題作となっている。 父母と20代の三兄妹による家族の愛がテーマの作品で、それぞれの心の動き、感情が細やかに描かれている。さらにそれぞ... Read More...

インドネシア映画倶楽部 第17回 「ハビビ & アイヌン 3」(HABIBIE & AINUN 3) 
自立を目指す若き女性を描く

文・横山裕一 2019年9月に死去したハビビ元大統領原作で、愛妻アイヌン夫人との物語を描く第3弾。第1作では二人の出会いから、結婚、そしてアイヌン夫人との死別までを、第2作は若きハビビ氏の西ドイツ(当時)留学時代が描かれた。そして第3弾の今回はアイヌン夫人の若き学生時代を中心に描く。 医者を目指すアイ... Read More...

インドネシア映画倶楽部 第16回 「ただの人として」(HANYA MANUSIA) 
警察プロデュースの刑事アクション

文・横山裕一 映画が始まる。スクリーンに冒頭からインパクトあるカットが続く。怪しげな男が口笛を吹く口元のアップ、ギラつきながらも澱んだ瞳のアップ。一方で猿ぐつわをされうめき声を上げる少女の口元、縛られた手、怯えた目のアップ。これらのカットがフラッシュバックで積み重ねられる。 同時にプロデューサーの名前... Read More...

インドネシア映画倶楽部 第15回 「スシ・スサンティ ラブ・オール」(SUSI SUSANTI LOVE ALL) 
国民的英雄の栄光と苦悩

文・横山裕一 インドネシア初のオリンピック金メダリスト、バドミントンのスシ・スサンティ選手の現役時代を、周囲からの愛と時代の苦悩を交えて描いた作品。国民的英雄である彼女は、2018年インドネシアで開催されたアジア大会でも聖火を灯す役割を果たしている。 スシ・スサンティ(48歳)は、92年のバルセロナ五... Read More...

インドネシア映画倶楽部 第14回 「僕にイスラムを教えて」(AJARI AKU ISLAM) 
宗教を越えた愛と現実

文・横山裕一 愛し合った若い男女は宗教の違い、民族の違いを乗り越えられるのか。この作品はイスラム教徒が大半を占めるインドネシアならではのテーマであるとともに、イスラム教が台頭する世界各国、国際化の進む日本をも含めて身近となりうるテーマである。 中華系インドネシア人の青年ケニーは、街頭で出会ったフィディ... Read More...

インドネシア映画倶楽部 第13回 「愛は盲目」(CINTA ITU BUTA) 
アジア融合のラブコメ

文・横山裕一 目が見えていても見えない愛と、目が見えないからこそ見える愛。韓国・釜山の美しい街並を背景に、インドネシア人の若い男女の愛をユーモアをふんだんに交えて描いた、ちょっと切ないロマンス・コメディ映画。 韓国・釜山で観光ガイドをしているディアは韓国の二枚目青年と出会い、婚約をする。しかし、結婚の... Read More...

インドネシア映画倶楽部 第12回「ベバス(自由)」(BEBAS) 
90年代のノスタルジーと変わらぬ友情

文・横山裕一 リリ・リザ監督の最新作は、韓国のヒット映画「サニー(SUNNY)」(2011年公開)のリメイク・インドネシア版。トップ俳優、人気歌手らの豪華出演陣で、原作同様、90年代の懐かしいヒットソングをバックに、1995年の高校時代と現代をシンクロさせた、変わらぬ友情を描く。 幸せな家族生活を送る... Read More...

インドネシア映画倶楽部 第11回 「6.9秒 」(6,9 DETIK) 
母への想いと自己との闘い

文・横山裕一 まだ記憶に新しい、2018年8月にインドネシアで開催されたアジア大会。このうち南スマトラ州パレンバン会場であるヒロインが誕生した。翌日の新聞には「スパイダーウーマン!」のタイトルとともに、ロープに吊るされながら両手を組んで勝利の喜びを祈る姿の写真が大きく紹介された。 アリエス・スサンティ... Read More...

インドネシア映画倶楽部 第10回 「バリ ビート・オブ・パラダイス」(BALI BEATS OF PARADISE) 
バリガムランとアメリカファンクのコラボレーション

文・横山裕一 アメリカのグラミー賞受賞歌手、ジュディス・ヒルのミュージックビデオ制作のため、約40年間アメリカでバリ・ガムランの普及活動をしてきたバリ人・ニョマン・ウェンテン氏(73)がコラボする過程を描いた音楽ドキュメンタリー映画。監督は東ジャワ州出身でハリウッドで活動するリフィ監督。 随所に美しい... Read More...

インドネシア映画倶楽部 第9回 「追跡」(PERBURUAN) 
日イ歴史の再認識

文・横山裕一 インドネシア独立宣言74周年にあわせて公開された、巨匠プラムディア・アナンタ・トゥール原作の映画「人間の大地」と「追跡」。このうち「追跡」が予想外にも1週間足らずのうちに公開終了となってしまった。しかし、「追跡」は日本人であれば是非知っておいてほしい、そして今後何かの機会があれば是非観ていただき... Read More...

インドネシア映画倶楽部 第8回 「人間の大地」(BUMI MANUSIA)

文・横山裕一 ついにインドネシアを代表する作家、プラムディア・アナンタ・トゥールの名作が映画化・公開された。原作は1980から90年代、当時のスハルト政府により発禁処分されていた不遇の作品だ。植民地時代の支配する者とされる者、そこに生じる不条理から、自分とは、自分たちの民族とは、そして人間とは何かを問い、自己... Read More...

インドネシア映画倶楽部 第6回 「メイの27ステップ」(27 STEPS OF MAY)

文・横山裕一 「目は口ほどにものを言う」ということわざがあるが、いい演技、凄みのある演技とはこれほどまでにセリフがなくとも伝わってくるものなのかと強く思わせる、静かな中に迫力を感じる見応えある作品だ。かつて性的暴行を受け、心に深い傷を負った少女が立ち直ろうとする姿と家族の苦しみを描いた「メイの27ステップ」は... Read More...

インドネシア映画倶楽部 第5回 「我が素晴らしき肉体の記憶 (KUCUMBU TUBUH INDAHKU)」

文・横山裕一 ガリン・ヌグロホ監督といえば、ストリートチルドレンの儚い運命を描いた作品「枕の上の葉(DAUN DI ATAS BANTAL/1998年)」で有名な名監督である。常にインドネシアの社会・歴史で重要な問題をテーマに作品を作り続けているが、19作目の今回は果敢にもLGBT(レズ、ゲイ、バイセクシャル... Read More...

インドネシア映画倶楽部 第4回「ディラン1991」 (Dilan 1991)

文・横山裕一 2月28日、国内映画では過去最大規模の全国791スクリーンで鳴り物入りの人気映画の続編が公開された。「ディラン1991」だ。前作の「ディラン1990」(2018年公開)は観客動員数632万人と、同年の1位に輝いただけでなく、正式な統計が始まった2007年以降では2番目に多い観客数を記録した大ヒッ... Read More...

インドネシア映画倶楽部 第3回「トゥンコラック(ドクロ)」(Tengkorak)

文・横山裕一 2018年10月、インドネシア人の間でさえ殆ど知られることなく、あるインディーズ映画が全国公開され、その短い上映期間を終えていった。しかし、人知れず埋もれていってしまうにはあまりにも惜しい、そして魅力ある作品だったためこの場でお伝えしたい。 「常識が覆された時、人間は本能的にそれを打ち消... Read More...

インドネシア映画倶楽部 第2回 「アホックと呼ばれる男」(A MAN CALLED AHOK)

文・横山裕一 2017年ジャカルタ特別州知事選挙に敗れ、選挙期間中の発言から宗教冒とく罪で2年の禁錮刑を受け、先日、1月24日に出所したばかりのアホック(本名:バスキ・チャハヤ・プルナマ=BTP)元州知事の少年期から青年期までを描いた作品。時の人でもあるためか、インドネシア映画作品としては珍しく約1カ月上映の... Read More...

インドネシア映画倶楽部 第1回 
「マルリナ〜ある殺人者の四幕〜」(Marlina Si Pembunuh dalam empat Babak)

文・横山裕一 スクリーン一面に荒涼と広がる丘陵地の大パノラマが映し出される。東ヌサトゥンガラ州スンバ島(ロンボク島東隣)。枯れて黄金色になった草が一面生えるのみの殺伐とした風景。西部劇でカウボーイが馬を疾走させるがごとくオートバイが一台、丘を縫うような道を走ってくる。大遠景のままオートバイの行方を追っていくと... Read More...