Latest articles

インドネシア映画倶楽部 第19回「草根の唄(NYANYIAN AKAR RUMPUT)」 
20年にわたる真実追求の声

文・横山裕一    いまや当然の権利であるかのような「言論の自由」。しかし、わずか20年前までのスハルト独裁政権の下では、政治批判しようとする者は当時の権力に抑えつけられ、多数の悲劇が起きた。  本作品は「ある若者」が20年前に起きた人権侵害の未解決事件「...

インドネシア映画倶楽部 第18回 「いつかこの物語をあなたに (NANTI KITA CERITA TENTANG HARI INI)」 
家族愛ゆえの葛藤と心に残るセリフの数々

文・横山裕一    正月第1弾から、見ごたえのある、心温まる作品が公開された。年始休みの時期だったとはいえ、2020年1月2日の公開から6日間で85万人を超える観客を動員した話題作となっている。  父母と20代の三兄妹による家族の愛がテーマの作品で、それぞ...

インドネシア全34州の旅 #30 西ヌサトゥンガラ州 
スンバワ島へ、2枚の写真の風景を見に

文・写真…鍋山俊雄    西ヌサトゥンガラ州と言っても、ピンと来る人はあまり多くないかもしれない。州都マタラムがあるのはバリ島東隣の、2018年の地震の影響を乗り越え賑わいを取り戻しつつあるロンボク島だ。今回の旅先となるスンバワ島は、そのさらに東隣。西はロンボク...

インドネシア映画倶楽部 第17回 「ハビビ & アイヌン 3 (HABIBIE & AINUN 3)」 
自立を目指す若き女性を描く

文・横山裕一    2019年9月に死去したハビビ元大統領原作で、愛妻アイヌン夫人との物語を描く第3弾。第1作では二人の出会いから、結婚、そしてアイヌン夫人との死別までを、第2作は若きハビビ氏の西ドイツ(当時)留学時代が描かれた。そして第3弾の今回はアイヌン夫人...

ヨーヨー・マの初公演に歓声 
アンコールは「ブンガワン・ソロ」

 チェリストのヨーヨー・マは6日、ジャカルタ・クマヨランのジャカルタ・インターナショナル・シアターで、インドネシアで初めてのコンサートを開いた。  チケットは約100万〜約1000万ルピアと高額だったが、前売り券は売り切れ、約2500席がほぼ満席となった。訪れた聴衆は、開演...

チェロ1本とは思えない多彩な音色 
自由自在な演奏に没入 
ヨーヨー・マのインドネシア初公演

 ステージの上には黒い布張りのいすがたった一つだけ。それ以外の物は何もない。  午後8時15分、チェロを提げたヨーヨー・マが現れ、歓声にこたえた後、いすに座り、何のタメもなく、いきなり弾き始めた。バッハの「無伴奏チェロ組曲」第1番ト長調の、ゆったりした冒頭部分が流れ出す。 ...
Kyoai Medical Service

Food

西宮奈央さんのMasak Kira-Kira 
#18 ベトナム風蒸し鶏とスープ(フォー・ガー)

 訪れるたびにその土地の料理にうっとりし、食べ尽くせないことを悔やみながら戻って来る国があります。ベトナムはその筆頭です。インドネシア料理も大好きですが、また異なるスパイス、そして多彩なハーブ使いなど、その味わいのバリエーションには感心してしまいます。  現地の味をどうにか...

【インドネシア丸かじり】トウガラシのジャムを作ってみた

 「トウガラシのジャム」を作ってみた。レシピは、『+62』で連載中の「西宮奈央さんのMasak Kira-Kira」から。  チレボンでバティック工房を主宰している賀集由美子さんが「気に入って何回も作った」と言う。パンに塗って職人さんのおやつにしたら好評で、「これは何? チ...
nao_kol01

西宮奈央さんのMASAK KIRA-KIRA #17 
カリフラワーのスパイシー・フリッター

 カリフラワーが大好きです。ほろっと軟らかも、パキッと歯ごたえも、調理次第で自在。どんな味付けにもなじむクセのなさ。とても使いやすい野菜です。ゆでたり、焼いたり、ポタージュにしたり、いろいろな食べ方を楽しめます。  スパイスを使ってエキゾチックな風味に仕上げた、お気に入りの...
nao_cabei2

西宮奈央さんのMASAK KIRA-KIRA #16 
トウガラシのジャム

 真っ赤でつややかな、こちらのジャム。甘やかな見た目に反して、ピリッと来ます。フレッシュなトウガラシがふんだんに使えるインドネシアならではのジャムを作ってみましょう。  使用するトウガラシは、辛さがマイルドで、大きくて肉厚なチャベ・ブサール(cabai besar)。赤く熟...

西宮奈央さんのMASAK KIRA-KIRA #15 
イカン・カンジョリ

 中部スラウェシ・バンガイ諸島への旅で出会ったおやつです。  島から島へと渡る船の中で、行商の女性が「カンジョリ、カンジョリ」と声を上げていました。カンジョリが何だかわからないままに呼び止めたところ、ビニール袋に入った、まゆ玉のような団子を示されました。早速、1袋を買い求め...

瓶入りチーズケーキ、出た!  
DOREの新製品

 一見プリン、実はチーズケーキ。北海道のチーズケーキ「LeTAO」とコラボした「DORE by LeTAO」の新製品だ。名前は「フロマージュ・ポット(Fromage Pot)」。  ガラスの瓶入りの、1人分の食べ切りサイズ。手軽にテイクアウトできるし、カットする手間もなくて食べ...

Travel

インドネシア全34州の旅 #30 西ヌサトゥンガラ州 
スンバワ島へ、2枚の写真の風景を見に

文・写真…鍋山俊雄    西ヌサトゥンガラ州と言っても、ピンと来る人はあまり多くないかもしれない。州都マタラムがあるのはバリ島東隣の、2018年の地震の影響を乗り越え賑わいを取り戻しつつあるロンボク島だ。今回の旅先となるスンバワ島は、そのさらに東隣。西はロンボク...

インドネシア全34州の旅 #29 北スマトラ州 
ニアス島へのオープントリップ 

文・写真…鍋山俊雄    スマトラ島の地図を眺めると、島の西側に、防波堤のように大小の島が並んでいる。これらの島々はその位置に合わせてスマトラ島の州とセットになっているが、独自の文化を発展させている島が多い。北スマトラ州では二アス島がそれに当たり、興味深い伝統文...

インドネシア全34州の旅 #28 西スマトラ州  ブキティンギのグランドキャニオン

文・写真…鍋山俊雄    インドネシアの地名を見聞きする中で、よく出てくる言葉の1つに「Bukit」(丘)がある。その中で西スマトラ州にある街がブキティンギ(Bukittinggi=高い丘)だ。今はパダンに次ぐ西スマトラ州第二の都市。インドネシア独立戦争当時は、...

インドネシア全34州の旅 #27 ジョグジャカルタ 
映画ロケ地巡りとワイサック

文・写真…鍋山俊雄    インドネシアでバリ島の次に、観光地として有名なのは、ジョグジャカルタだろう。世界遺産の仏教遺跡ボロブドゥールやヒンドゥー遺跡プランバナンが海外からの観光客を引き付けている。  ジョグジャカルタ特別州は、ジョグジャカルタ市と周辺...

インドネシア全34州の旅 #26  東ジャワ州②マドゥラ島 
全速力で駆け抜ける牛の勇姿、人工の石灰岩の造形

文・写真…鍋山俊雄    ジャカルタからバリに向かう飛行機で左側の窓際席に座っていると、ジャカルタから1時間ほど過ぎたあたりで、眼下に大きな島が広がる。ジャワ島に隣接し、2009年にスラマドゥ(スラバヤーマドゥラ)橋が完成してからは車で往来できるようになったが、...

インドネシア全34州の旅 #25  東ジャワ州① 
絶景ブロモ山とマランの「ブルーシティー」

文・写真…鍋山俊雄    インドネシアに住んでいると意外にあちこちで火山が噴火しており、日本と同じ火山国だと改めて感じる。一方で、美しい山も多い。私はあまり登山はしないが、登山好きの方には興味深い山々が多いそうだ。その中で、朝焼けの風景が「まるで月面のように美しい」...

Life

インドネシア映画倶楽部 第19回「草根の唄(NYANYIAN AKAR RUMPUT)」 
20年にわたる真実追求の声

文・横山裕一    いまや当然の権利であるかのような「言論の自由」。しかし、わずか20年前までのスハルト独裁政権の下では、政治批判しようとする者は当時の権力に抑えつけられ、多数の悲劇が起きた。  本作品は「ある若者」が20年前に起きた人権侵害の未解決事件「...

インドネシア映画倶楽部 第18回 「いつかこの物語をあなたに (NANTI KITA CERITA TENTANG HARI INI)」 
家族愛ゆえの葛藤と心に残るセリフの数々

文・横山裕一    正月第1弾から、見ごたえのある、心温まる作品が公開された。年始休みの時期だったとはいえ、2020年1月2日の公開から6日間で85万人を超える観客を動員した話題作となっている。  父母と20代の三兄妹による家族の愛がテーマの作品で、それぞ...

インドネシア映画倶楽部 第17回 「ハビビ & アイヌン 3 (HABIBIE & AINUN 3)」 
自立を目指す若き女性を描く

文・横山裕一    2019年9月に死去したハビビ元大統領原作で、愛妻アイヌン夫人との物語を描く第3弾。第1作では二人の出会いから、結婚、そしてアイヌン夫人との死別までを、第2作は若きハビビ氏の西ドイツ(当時)留学時代が描かれた。そして第3弾の今回はアイヌン夫人...

ヨーヨー・マの初公演に歓声 
アンコールは「ブンガワン・ソロ」

 チェリストのヨーヨー・マは6日、ジャカルタ・クマヨランのジャカルタ・インターナショナル・シアターで、インドネシアで初めてのコンサートを開いた。  チケットは約100万〜約1000万ルピアと高額だったが、前売り券は売り切れ、約2500席がほぼ満席となった。訪れた聴衆は、開演...

チェロ1本とは思えない多彩な音色 
自由自在な演奏に没入 
ヨーヨー・マのインドネシア初公演

 ステージの上には黒い布張りのいすがたった一つだけ。それ以外の物は何もない。  午後8時15分、チェロを提げたヨーヨー・マが現れ、歓声にこたえた後、いすに座り、何のタメもなく、いきなり弾き始めた。バッハの「無伴奏チェロ組曲」第1番ト長調の、ゆったりした冒頭部分が流れ出す。 ...

インドネシア映画倶楽部 第16回 「ただの人として(HANYA MANUSIA)」 
警察プロデュースの刑事アクション

文・横山裕一    映画が始まる。スクリーンに冒頭からインパクトあるカットが続く。怪しげな男が口笛を吹く口元のアップ、ギラつきながらも澱んだ瞳のアップ。一方で猿ぐつわをされうめき声を上げる少女の口元、縛られた手、怯えた目のアップ。これらのカットがフラッシュバック...