行くのはちょっと大変だけど……ジャワの特別な島、カリムンジャワへ!

行くのはちょっと大変だけど……ジャワの特別な島、カリムンジャワへ!

カリムンジャワ、という名前を聞いたことがあるだろうか。「船が欠航になって帰れなかった」とか……絶海の孤島、というほどではないのだが、行くにはなかなかハードルが高い。ずっと行きたいと思っていたカリムンジャワは「作られたリゾート感」がまったくない、ジャワの特別な島だった。(文と写真・西川知子)

カリムンジャワでのアイランドホッピング
カリムンジャワでのアイランドホッピング
カリムンジャワ地図

ジャワにあるのに「なかなか行けない」島

 ジャワ島北岸沖に浮かぶカリムンジャワ島。中部ジャワ州にあるのに「なかなか行けない」、そのわけは、まずジュパラまで行かないといけないし、そこから乗る船は海が荒れると欠航する。行くのに時間はかかるし、天候と船が問題だ。なかなか行けない、だけど、ずっと行きたかったカリムンジャワに、友人らと「行こう!」という話がまとまり、2泊3日の日程で行くことにした。

 行きは、前日夜にジャカルタを出発する夜行列車に乗ってスマランへ。翌日早朝に到着したスマランから、レンタカーで約2時間かけてジュパラまで行き、ジュパラの港から乗船する。カリムンジャワまでは約3時間。帰りは、スマランから飛行機にした。

 ジュパラ港に着くと、海の天気予報がデジタル表示されている。そのぐらいに海の状況は不安定なのだ。この日の波の高さは0.4〜0.5メートルと穏やかだった。ブルーとグリーンの表示で、これなら余裕の青信号だ。

ジュパラ港の「海の天気予報」表示画面
ジュパラ港に掲示されている「海の天気予報」表示画面
ジュパラとカリムンジャワを結ぶ船「Express Bahari」
ジュパラとカリムンジャワを結ぶ船「Express Bahari」

 ジャカルタからプラウスリブに行く時のようなスピードボートとは違い、エアコン付きの大きな船だ。多少の波があっても揺れない。この日も幸い、天気が良くて、船はほとんど揺れなかった。しかし、雨期には欠航になることもあるので、もしカリムンジャワに行くなら、絶対に乾期の方が良い。

カリムンジャワに到着
カリムンジャワに到着

広場にずらっと並ぶシーフード屋台

 カリムンジャワ島に到着した。ジャワ北岸特有の茶色い海が、美しいサンゴ礁に変わる。シュノーケリングでのぞいた海には魚がいっぱいいて、夜は星がきれいで、とてものどかな島だ。

 しかし、リゾート島ではない。ジャカルタから行くプラウスリブは島も小さく、リゾートとして作られた無人島が多い。カリムンジャワは、そういった「作られたリゾート」感がまったくない。ここにはジャワ人、ブギス人、マドゥラ人ら約9000人が暮らしている。

 夜になると、広場の近くに、獲れたての魚や貝などの新鮮なシーフードの屋台がずらっと10軒ぐらい並んで、煙を上げている。これは、ほかのリゾートの島では見たことのない光景だった。炭火で焼いたり、いためたり、貝はゆでたり。調理したてのシーフードはとてもおいしかった。

新鮮な魚、イカ、カニ、エビ、貝など
新鮮な魚、イカ、カニ、エビ、貝などを売っていて、その場で調理してくれる
シーフードを焼く屋台が並んでいる
炭火から煙が上がる
美しい夕日
美しい夕日も有名

 宿泊した貸し切りヴィラの前のプライベートビーチでは、シュノーケリングをしたり、カヌーに乗って遊んだ。翌日は、アイランド・ホッピング。カリムンジャワ諸島のほかの島々を巡り、シュノーケリングで海をのぞき、ものすごい数の魚を見た。

カリムンジャワでのアイランドホッピング
カリムンジャワでのアイランドホッピング。チュマラ・クチル島へ
美しい海には魚がいっぱいだ
美しい海には魚がいっぱいだ

カリムンジャワの伝説、「テリハボクの聖人」

 カリムンジャワ島には、ジャワにイスラムを広めた「ワリ・ソンゴ」(九聖人)の一人であるスナン・ムリアの息子、ラデン・アミル・ハサンの墓がある。伝説によると、スナン・ムリアは、ジャワ島ジュパラにあるムリア山の頂上からかすかに見える島を見て、そこへ行くよう息子に命じた。その島は、ジャワ語の「kremun-kremun」(かすかに)と「ジャワ」で、「カリムンジャワ」という地名になったとされる。

 父の命を受けたラデン・アミル・ハサンは、テリハボク(インドネシア語で「nyamplung」)の種2粒を持ってカリムンジャワに行き、島にその種を植えた。やがてテリハボクは島に生い茂るようになり、ラデン・アミル・ハサンは「スナン・ニャンプルガン」(Sunan Nyamplungan)と呼ばれるようになったという。墓があるということはこの地で生涯を終えたことになるが、どんな暮らしをしていたのだろうか。

 カリムンジャワ島は昔は交易路でもあったり、こんなワリ・ソンゴに絡む伝説があったりで、とても「ジャワらしい」島なのだった。

■Information
・船(Express Bahari)の運行時間・料金
https://expressbahari.com

■値段の目安(2026年4月現在)
・船(Express Bahari)片道運賃 エクセクティフ20万ルピア、VIP23万ルピア