仕事や出張、休暇の予定を決めるのに重要な、2023年のインドネシアの祝日および有給休暇取得奨励日(有休奨励日、cuti bersama)が2022年10月11日、発表されました。祝日16日、有休奨励日8日の計24日です。3年ぶりに「コロナ対応」でなくなり、通常に戻ったインドネシアの祝日。その注目点とは何でしょうか?(文・知る花)
インドネシアの祝日は、宗教省、労働省、国家行政改革省の3省の協議により、決定される。コロナ禍の始まった2020年と2021年は、祝日を移動させたり、有休奨励日をなくしたり削減したりして、「人の移動」を極力抑えるという政府方針だった。今年2022年の様子見を経て、2023年は通常の祝日に戻った。
インドネシアの祝日は計16日。政府の認めた宗教(イスラム、キリスト教=カトリックとプロテスタント=、ヒンドゥー、仏教、儒教)の重要な祭日が祝日となっている。
人口に比例して、イスラムの祭日が最も多い。断食明け大祭(イドゥル・フィトリ=レバラン)、犠牲祭(イドゥル・アドハ)、ムハンマド生誕祭、ムハンマド昇天祭、イスラム新年の計5回。次いでキリスト教が、クリスマス、聖金曜日、キリスト昇天祭の計3回。
ヒンドゥーはヒンドゥー新年(ニュピ)、仏教は仏教大祭(ワイサック)、儒教は中国正月のそれぞれ1回。レバランのみ2日間で、ほかは1日だ。
宗教に関連しない祝日は、新年、メーデー、パンチャシラの日、インドネシア独立記念日の4つのみ。新年とメーデーは国際的な祭日なので、インドネシア独自の祝日というと、パンチャシラの日(6月1日)と独立記念日(8月17日)となる。
有休奨励日って?
日本の祝日も年間16日なので、期せずして祝日の数は同じだ。違うのは、インドネシアの祝日は全て意味のある祭日なため、土日に当たったからといって「振替休日」は存在しないこと。その代わりに「有休奨励日」というものがあり、これによって、適宜、連休を作ったり、休みを増やしたりして、調整している。
「有休奨励日」とは「この日に有給休暇を取りましょう」と政府が推奨する「準祝日」のようなもので、「祝日」扱いにしている会社もあれば、「年間の有給休暇から引く」という、「有給休暇」扱いの会社もある。
年間の祝日数は毎年同じなので、有休奨励日の扱いが注目される。2023年の発表でも、有休奨励日は「(祝日より)こちらの方が重要です」と前置きされていた。
コロナ禍が始まった2020年は、レバランの有休奨励日が年末の1日に変換されるという前代未聞の対応。さらにコロナ禍が深刻化した2021年の有休奨励日はたったの1日(当初定めた7日から削減)、様子見の2022年は4日(ゼロだったのを、途中で追加)だったので、2023年の8日は多いといえる。2020年から削減されていた休みを取り戻すかのように、連休になるような有休奨励日をあちこちに入れ、「さあ皆さん、旅行でもしてください!」という意図が感じられる。
さらに注目されるのが、中国正月、ニュピ、ワイサックの有休奨励日。振替休日的な中国正月とワイサックのほか、3月23日にはニュピの有休奨励日が単独で設けられた。これまでの有休奨励日は、主にイスラムとキリスト教の祭日に合わせて設けられていたので、こうした措置は異例のことだ。特にニュピの有休奨励日は「宗教省からの提案に従って(入れた)」との説明があった。単に有休奨励日を増やしたかったのかもしれないが、今後の有休奨励日はイスラム、キリスト教の祭日に限らず、他宗教にも配慮していく、という方針の表れなのかもしれない。
2023年の連休
※土曜も休みとしてカウント
1月
21日(土)〜23日(月) 3日間 中国正月
3月
22日(水)〜23日(木) 2日間 ニュピ
※24日(金)に有休を取れば、22日(水)〜26日(日) 5日間 ニュピ
4月
7日(金)〜9日(日) 3日間 聖金曜日・イースター
21日(金)〜26日(水) 6日間 レバラン
29日(土)〜5月1日(月) 3日間 メーデー
※27日(木)〜28日(金)に有休を取れば、21日(金)〜5月1日(月) 11日間 レバランとメーデー
5月
※19日(金)に有休を取れば、18日(木)〜21日(日) 4日間 キリスト昇天祭
6月
1日(木)〜4日(日) 4日間 パンチャシラの日とワイサック
※30日(金)に有休を取れば、29日(木)〜7月2日(日) 4日間 犠牲祭
8月
※18日(金)に有休を取れば、17日(木)〜20日(日) 4日間 独立記念日
9月
※29日(金)に有休を取れば、28日(木)〜10月1日(日) 4日間 ムハンマド生誕祭
12月
23日(土)〜26日(火) 4日間 クリスマス