Agak Laen : Menyala Pantiku
昨年に大ヒットし、主題歌がデモで歌われる社会現象にもなった映画の第二弾。お化け屋敷から老人ホームに舞台を移し、前作と同じ4人が笑いの大騒動を巻き起こす。
文と写真・横山裕一
昨年、観客動員900万人以上と大ヒットした同名映画の第2弾。前作では「他とは違う」お化け屋敷を舞台に観客を大いに笑わせ、ホラーコメディ映画ブームの火付け役にもなった。今回は老人ホームを舞台に「他とは違う」刑事に扮して、公開5日間ですでに観客動員数が230万人を超える人気ぶりを示している。タイトルの「Agak Laen」は若者言葉で、「ちょっと他とは」が転じて「他とは違う」という意味で使われる。
物語の主人公は前作同様、ベネ、オキ、ジェゲル、ボリスの4人。刑事の4人は大立ち回りの末、潜入捜査員を誤認逮捕してしまう。しかもその捜査員は警視総監の息子で4人はたちまちクビの危機に晒される。解雇回避のラストチャンスとして、4人はある老人ホームに潜伏しているとされる殺人犯を突き止め、逮捕することを命じられる。4人はさっそく介護士や老人夫妻に扮して老人ホームに潜入するが……。
舞台は変わるが、主人公4人は前作に引き続き同じ設定。前作ではラストに4人とも逮捕されるが、今回は逆に刑事役という発想も面白い。4人の役者とも、インドネシアの人気テレビ番組、スタンドアップコメディ出身のコメディアンだけに、作品内でもそれぞれとぼけた持ち味を今回も十分に発揮している。
前作では若者を中心に大ヒットしたことを反映して、主題歌が学生デモに使われる社会現象も起こした。昨年8月、当時のジョコ・ウィドド大統領の次男を州知事選挙に出馬できるよう、条件修正を試みた国会に対する抗議デモで、学生たちが同映画の主題歌を合唱した。「♪あなたは他と違う、あなたの父は他と違う〜」偶然ながら歌詞が大統領の息子を揶揄しているかのようだったためだ。
今回の第2弾も若者を中心に支持を得ているようだ。劇場も終始笑い声があがっていた。ラストには更なる続編も匂わせていて、シリーズ化される可能性もある。是非、劇場で笑い、楽しんでいただきたい。(英語字幕なし)

