友達のSさんに「これ、私の友達が作ったサンバル。食べてみますか? めっちゃ辛いんですけど……」と、「おずおず」という感じで差し出された「イカのサンバル(Sambal Cumi)」。瓶の中にはぎっしりとミニサイズの輪切りイカが詰まっていて、サンバルというより、ほとんどイカ。瓶の半分ぐらいがイカ。そして、その中のイカ1つを口にしてみて、「おずおず」の理由がわかった。めっちゃくちゃに辛い! 想像をはるかに超える辛さ! しかし、おいしい!
イカのうまみとトウガラシの辛さ……味がぎゅっと凝縮している。おいしいのでたくさん食べたいが、ほんの少ししか食べられない。食べたいけど食べられない、というジレンマ。「+62ボックス」用には、日本人向けに「辛さを抑えたバージョン」を特注してみたのだが、どんな辛さになるか。
作ったのは、調理専門学校を卒業し、2013年からレストランで働いているディカさん(29)。サンバルを作り始めたのは「必要だから。サンバルが好きだから」。自分で食べる用に作っていたところ、遊びに来た友達にも好評で「売ったらどう?」と言われていた。販売用に作り出したのは、コロナ禍が始まってからだ。
インドネシアの食生活にサンバルは欠かせず、サンバルのブランドは大手から小規模のハンドメードまで数多い。その中でディカさんのサンバルの特徴または強みとは? 「フレッシュな材料で、作りたてであること。添加物を使っていないこと」。
基本的に作り置きはしない方式で、注文を受けてから作る。材料はトウガラシ、ニンニク、具材(イカまたは小魚)のみ。辛さが「スタンダード」の場合、チャベ・ラウィット(鷹の爪)、チャベ・メラ・クリティン(縮れた赤トウガラシ)、ニンニク、具材が1:1:1:1の割合。「激辛(extra pedas)」になると、トウガラシは全てチャベ・ラウィットを使う。
添加物のないフレッシュな材料に加え、調理にも時間をかける。トウガラシとニンニクはブレンダーにかけてから、弱火で2時間ほど油炒めする。それから、揚げた塩干しイカをサンバルへ投入。全部で3時間余りも火にかける。こうして十分に水分を飛ばすので、フレッシュ・サンバルなのに日持ちが良くなる。
ディカさんのお薦めの食べ方を聞くと、「サンバルには、シンプルなおかずが合います。揚げたテンペや豆腐、生野菜、アヤムゴレン(揚げた鶏)に付けてもいいし、熱いご飯も最高です」。
このサンバルを教えてくれたSさんは、「辛さ調整にマヨネーズを使うといいです。ちょうどいい辛さになるまでマヨネーズを加えた『サンバルマヨ』を、ハヤトウリなどのゆで野菜に付けて食べるとおいしい。あと、調味料として使うのもお薦め。炒め物料理で味付けに迷った時、パンチを効かせるために、このサンバルを投入すると味が決まります」。
サンバルと言ってもイカがごろごろ入っているので、ご飯の「おかず」としても楽しめる。酒のアテにもぴったり。日本へのお土産にもお薦めだ。食べてみたい方は、下記の「+62 Box + Farm」をお試しください。
+62 Box + Farm
2022年9月24日(土)〜25日(日)販売。有機野菜、お茶、スナック、コーヒー、バティックなどの詰め合わせで、ディカさんの「イカのサンバル」1個(200グラム)も入ります。「ボックス」は35万ルピア。お問い合わせ・お申し込みはメール:info@plus62.co.idまで、どうぞ。