2022年7月、西ジャワ州インドラマユにあるエディさんのバティック工房を訪ねた時のこと。賀集由美子さんが制作した「ペン子ちゃん」などのバティック・チャップ(判)がいくつか置いてあって、最新の「猫とバティック」チャップを押したばかりの布もあった。
賀集さんは自分の制作したチャップをエディさんの工房に預け、布に押してもらい、それをさらに自分の工房で蝋描きしたり染色をして仕上げていた。バティック制作とは共同作業であり、工房同士が協業もする。賀集さんとエディさんはそんな関係の「仲間」だった。
エディさんは工房を案内してくれた後、「ユミコがいないと、新しい絵のチャップ・バティックが出来ない。あんたたち、絵は描けないか?」と聞いてきた(かなりの無茶ぶり!)。そして、「チャップの絵っていうのは、こうやって描くんだ」と言って、「見本」を持って来た。
ほぼ真四角の中に描かれた模様は、イルカとマンゴー。イルカが船に乗って漁をしていたり、かごに盛ったマンゴーを手にしている。画面いっぱいに広がる唐草の中に、魚、亀などの海の生き物たちがユーモラスに描かれている。水の中らしく、光る泡も見える。漁港であり、マンゴーの名産地でもあるインドラマユを表した風景だ。
あまりにもうまい絵とイルカのかわいらしさ、横に書かれた見覚えのある字に、ふと既視感を覚え、「これは誰が描いたの?」と聞いたら、「ユミコだ」とエディさん。「ええええーーー!!」と、その場にいた全員が叫ぶことになった。宝が埋蔵されもせずに、そこにぽんと置いてあったようなものだ。賀集さんの絵があるのであれば、それをチャップにしたらどうか? これで新チャップを作ろう、ということで、話がまとまった。
8月下旬に「注文していたチャップが出来た」という連絡があった。それからいろいろな色を試してみて、ようやく出来上がったのが、このバティックだ。+62ボックス用には、使いやすい大きさの大判バンダナサイズにしてもらった。お弁当包みにしてもいいし、おしゃれなインテリアとしても部屋で使える。
+62 Box + Farm
2022年9月24日(土)〜25日(日)販売。有機野菜、お茶、スナック、コーヒー、バティックなどの詰め合わせ。「イルカとマンゴー」柄バティックのバンダナは、オレンジ、青など4種類の色の中からお好きな色を選べます(先着順、在庫品限り)。「ボックス」は35万ルピア。お問い合わせ・お申し込みはメール:info@plus62.co.idまで。