ジャカルタから「さんがくちほー」へ。ボゴールに向かって高速道をひた走ると、ぐっと山が近付いてくる。頂上がすり鉢みたいになったグデ・パングランゴ山、八ヶ岳に似た山容のサラック山。不思議なもので、山は近付くと遠く見える。近くなったり遠ざかったりする2つの山を見ながら、到着したタマンサファリ(=サファリパーク)は山の中。空に向かって、高い木がずーんと伸びている。ジャカルタに生えているのとは違う、針葉樹だ。そして、涼しい〜!
「サーバルキャットはいません」と事前に聞いていたけど、サーバルちゃんのお仲間に会おうと、まずはネコ科のフレンズがかたまっている場所へ。案内人は、飼育員のブディマンおにいさん。
行ったり来たりして、かまってほしげなアジア・ゴールデン・キャット。岩の上にねそべっているジャワヒョウ。顔を洗っているユキヒョウ。体は大きいけど、完璧に「猫」の仕草に萌え……。
ジャガーはプリントしたみたいなきれいな模様。足がぶっとい。ブディマンおにいさんがおやつ(肉)を取って来て、水の中へ投げ入れると、ざぶーん!と水中へ飛び込み、肉をくわえて、地上へ。沈んでしまった肉も、潜水して拾う。地上に肉を集め、ぶるぶるっと身震いして水をはじき飛ばす。パークの外では会いたくない……。
このネコ科のフレンズの中で、私がパークの外で会ったことがあるのは、ジャワヒョウ。サラック山中で、ジャワヒョウの生態を調査するため、罠が仕掛けられていた。ある晩、「かかった!」と聞き、調査隊に同行した。檻に近付くと、恐ろしい鳴き声とともに檻の中でバタンバタンと暴れている音がする。麻酔で眠らせてから体重や体長を計り、発信器を取り付け、のんきに記念撮影をしていたら、眠っていたジャワヒョウが突然、「むくっ」と起き上がり、全員が蜘蛛の子を散らすように逃げた……という思い出。
食肉目 ネコ科 アジア・ゴールデン・キャット属
アジア・ゴールデン・キャット
Asian Golden Cat
atopuma temminckii
Kucing Emas Asia
オスの名前はジャカ、メスの名前はシスカ。スマトラ島から来ました。中国やマレー半島に生息し、インドネシアではスマトラ島だけに分布しています。木にも登れますが、地上で生活します。性格は結構、アグレッシブで、ひっかいたり、かみついたりしますよ。
食肉目 ネコ科 ヒョウ属
ジャワヒョウ
Javan Leopard
Panthera pardus melas
Macan Tutul Jawa
ジャワ島のグデ・パングランゴ国立公園、サラック国立公園などの山岳地帯に生息し、現在の生息数は250頭ぐらいとみられています。木の上で生活し、獲物は木の上まで運んで食べます。黒いジャワヒョウもいます。
食肉目 ネコ科 ウンピョウ属
ウンピョウ(雲豹)
Clouded Leopard
Neofelis nebulosa
Macan Dahan
インドネシアではスマトラ島、カリマンタンに生息しています。あごが発達していて犬歯が非常に長いのが特徴。犬歯の長さは約5センチもあります。魚、鹿、猿、鳥、ネズミなどを食べます。木登りが得意で、頭を下にして垂直に降りてくることだってできます。
食肉目 ネコ科 ヒョウ属
ジャガー
Jaguar
Panthera onca
Jaguar
中南米原産。あごの力が非常に強く、亀の甲羅だって、かみ砕くことができます。ネコ科の動物は通常、狩りをする時、首をガブっとやるのですが、ジャガーは頭からガブっと行きます。自分より体の大きな動物を襲うこともあります。泳ぎが上手で、小型のワニなども食べます。
食肉目 ネコ科 ヒョウ属
ユキヒョウ
Snow Leopard
Panthera uncia
Macan Salju
ヒマラヤ地方から来ました。すごく寒い所が好き。だから、部屋の中にはエアコンを入れてあります。ふさふさの長い尻尾は、マスク代わりに口を覆うのに使います。
食肉目 ネコ科 ヒョウ属
ホワイトタイガー
White Tiger
Panthera tigris tigris
Harimau Putih
ベンガルトラの白変種です。インドから来ました。名前はルペとデルフィーといいます。2匹とも8歳です。
ライガー
Liger
ライオンと虎(タイガー)を掛け合わせたものが「ライガー」。ボゴールのヴィラで違法に飼われているのが発見され、当園が引き取りました。野生では生きられません。
皆さん、パークの外で会うと「フレンズ」ではありませんから、注意しましょう。