「ブディへの仕返し」&「後払い」 「結婚詐欺でだまされた!」「借金で首が回らない!」窮地に追い込まれた女性が奮起 【インドネシア映画倶楽部】第112回

「ブディへの仕返し」&「後払い」 「結婚詐欺でだまされた!」「借金で首が回らない!」窮地に追い込まれた女性が奮起 【インドネシア映画倶楽部】第112回

結婚詐欺や違法金融といった現代社会の闇を笑いに変えたコメディ2本をご紹介。窮地に追い込まれた女性の奮起がユーモアたっぷりに描かれる。

Balas Budi

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文と写真・横山裕一

 結婚詐欺や違法金融と、現代社会で頻繁に引き起こされる犯罪を題材にしたコメディ作品。巧みな犯行手口や厳しい借金取り立て、そして窮地に追い込まれた女性の奮起がユーモアたっぷりに描かれる。

 「ブディへの仕返し」の主人公は冒頭、花嫁衣装ながら大泣きするアルマ。夫となるはずのブディが姿を現さず、結婚詐欺だと気づいたためだった。アルマは何者かにブディが拉致された時、身代金として1000万円を支払っていた。悲しみに暮れた後、アルマが同様の事件を調べてみると、なんとブディによるものとみられる結婚詐欺が国内外で数十件にも及んでいることを知る。

 時にジャワの王侯貴族、果てはパリでフランス人の血を引いたコックだと偽っていたブディ。怒り心頭のアルマは、被害者女性3人を仲間に引き入れて、ブディに仕返ししようと作戦を練り始める……。

 一方、「後払い」の主人公は朝、寝起きの訪問者がいかつい借金取りだったため、慌ててパジャマのまま家を飛び出して逃げ回るティナ。ミスコンテストで優勝したのをいいことに服などブランド品を爆買いし、多額の借金を抱えていた。

 挙げ句の果てにティナは借金返済のため、金を借りた違法の消費者金融会社で働くことになってしまう。自ら債務者でありながらティナはいかつい男性の同僚と共に借金の取り立てを始める。すると、身近な人をはじめ夥しい人々が違法業者に借金していたことが明らかに……。

 いずれの作品も、金融のデジタル化、スマートフォンの普及に伴って横行する現代ならではの詐欺事件が反映されている。特に消費者金融に関しては、スマホさえあれば顔と身分証明書の写真を登録するだけで金を借りることができる手軽さもあって、借金で首が回らなくなる債務者が増大する深刻な問題がインドネシアでも起きている。

 映画「後払い」では、返済に追い立てられながらも買い物の誘惑に負けて借金を繰り返す人々の悲しい姿をコミカルに描き、笑いを通して鑑賞者に対し注意を促してもいるようだ。この作品は民放テレビ局RCTIで放送された連続ドラマが原作。映画では設定は大きく異なるものの主人公の女性とその弟は同じ俳優が演じている。また原作の連続ドラマはNetflixのインドネシア版で配信されている(「Pay Later」)。

 結婚詐欺師に復讐を試みる女性、借金に窮し消費者金融業界の裏側を目の当たりにする女性といずれの作品も窮地に立たされた女性が奮起する物語に焦点がおかれていることから、インドネシア社会でも女性が弱い立場だけにとどまらず、社会進出が進んでいる現状を反映しているようにも窺える。

 いずれも気軽に観ることができ、劇場では笑いが頻繁に起きていた。是非、映画館で楽しんでいただきたい。

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横山 裕一(よこやま・ゆういち)元・東海テレビ報道部記者、1998〜2001年、FNNジャカルタ支局長。現在はジャカルタで取材コーディネーター。 横山 裕一(よ…
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