クルマ好きでモータースポーツにのめり込んでいた父が運転するラリーカーの助手席に初めて座ったのが4歳の時でした。僕がレーサーになったことを、父はとても喜んでくれています。
クルマは僕にとって、家のようなものです。そこは、自分が最も自由に、自分らしくなれる場所。どんなに激しいレースをしている時だって、いつも、わが家に帰ったような気持ちになれる……そこは僕にとって、最も愛する場所なんです。
ヒーローとして崇拝するレーサーはいません。ミハエル・シューマッハーとかアイルトン・セナとか偉大なレーサーはたくさんいるし、彼らを尊敬もしていますが、モータースポーツという世界にいる僕にとって、彼らは倒すべき目標であって、ヒーローじゃないんですよ。
F1に到達しないかぎり、僕は決して満足しないでしょう。そしてF1に到達したら、今度はそこで勝利するまで満足できないはずです。いつもハングリーでありたいし、もっとベターな自分になりたい。僕は多分、決して自分に満足できない人間なんでしょうね。
KFC
インドネシアのKFC、キャッチコピーは「Jagonya Ayam」(雄鶏、闘鶏用の鶏=ayam jago=と、チャンピオン=jago=を掛けている)。ショーンのスポンサーにぴったりのキャッチコピーだ。
ショーン・ゲラエル
1996年、ジャカルタ生まれ。スペインのレーシングチーム「Campos Racing」所属のGP2レーサー。9歳でカート・レーシングを始め、弱冠15歳で欧州F3にデビュー。その1年後の2013年、ブリティッシュF3シリーズのシルバーストーン・サーキットにおいて3位に付け、初の表彰台に上る。2015年、GP2シリーズにデビュー。2016年、オーストリアのスピールバーグ・サーキットでは2位をマーク。現在、英バース大学で経営学を学びつつ、F1ドライバーを目指す。父はKFCインドネシア会長のリカルド・ゲラエル。母は女優のリニ・S・ボノ。