新年、中国のおみくじをやってみよう! ジャカルタ中心部の「福徳正神廟」でのやり方をご紹介

新年、中国のおみくじをやってみよう! ジャカルタ中心部の「福徳正神廟」でのやり方をご紹介

2024-12-24

ジャカルタ中心部にある不思議スポット、中国寺院・廟の「福徳正神廟」。「ザ・チャイナタウン」なコタ・グロドックに比べてアクセスしやすく、オープンな雰囲気で、お薦めです。ここで中国の「おみくじ」(チアム・シ)を引くことができます。やり方は日本のおみくじとちょっと違うのですが、その違いもまた面白いです。元日もオープンしていますので、お正月気分を味わいに「初詣とおみくじ」をどうぞ。

ビルの谷間のこぢんまりした廟へ

最初の門。ここから参道が始まる。車で入っても良い
中央ジャカルタの「サンプルナ・ストラテジック・スクエア」の裏辺り、サトリオ通りに面して立つ、最初の門。ここから参道が始まる。車で中まで入っても良い
第二の門
第二の門。正面に見える、階段を上がった所にあるのが仏教寺院。右手が廟

 赤い門をくぐり、長い「参道」を行くと、もう一つ門が見えてきて、門の先に赤い屋根の建物が立っている。高層ビル群の底にぽっかり広がる不思議空間。賑わうのは中国正月の時で、普段は訪ねる人も少なく、空いている。左の建物が「仏教寺院」で、右の建物が「廟」だ。おみくじができるのは「廟」の方。

ビルの谷間の寺
背景が高層ビルで、不思議な雰囲気

 この廟は今年で創立104年。改修されたばかりで、建物の色合いも鮮やかで美しい。廟の中にはたくさんの赤いロウソクが灯っている。

 廟の中央に祀られているのは「福徳正神」。台湾で人気の高い「土地公」とも呼ばれる道教の神で、お願いすればこたえてくれる福と財の神という。向かって左は観音菩薩、右には武神たちが祀られている。

福徳正神の祀られた祭壇。手前左に置いてあるのがショープエ
福徳正神の祀られた中央の祭壇。手前左に置いてあるのがショープエ
観音菩薩の祀られた祭壇で、線香を供える
観音菩薩の祀られた祭壇で、線香を供える

チアム・シのやり方

 廟の前でろうそくの掃除をしていた男性に「『チアム・シ』(Ciam Si)をやりたい」と告げると、廟の中に招き入れ、親切にやり方を教えてくれた。正式にはお参りをしてからするのだが、いきなり「チアム・シ」でもOKとのことだ。

 まず、赤い線香1本を取って火をつけ、祭壇の香炉に挿して、尋ねたいことや願い事を念じる。それから、「ショープエ(神筈、ポエ)」と呼ばれる、香炉の脇に置いてある半月形の木片2個を取る。ショープエの元の色は赤色だが、使い込まれて黒くなっている。ショープエを両手で持ったまま、先ほど火をつけた線香の周りで3回、手を回す。

ショープエ
ショープエ。これが「表」(右手)「裏」(左手)の状態

 それから、少し後ろに下がって、両手の中のショープエを床に落とす。ここで「丁半」をやるのだ。ショープエ2個が表裏になったら、神様は笑顔で「同意している」というしるし。次の段階へ進める。しかし、表同士だと「怒っている」、裏同士だと「笑ってしまっている」という意味になり、もう一回、やり直し。やり直しは3回までできる。

 次に、番号の書かれた棒がたくさん挿してある筒を手に取る。筒を両手に持って、口を少し下に向けて、カシャカシャと強く振っていると、いくつかの棒が飛び出して来る。さらに振り続けると、自然に、そのうちの一本が下に落ちる。この棒を拾って、香炉に挿す。

これがおみくじ。この筒を両手に持って振る
これがおみくじ。この筒を両手に持って振る

 それから再び、ショープエだ。さっきと同じようにショープエを両手に持って床に落とし、3回以内に表裏になったら、神様の同意が得られたとして、棒に書かれた番号の紙をもらえる。ショープエを3回やっても表裏にならなかった場合は、「神様は聞かれたくない」「尋ねる必要はない」というしるし。おみくじは「不成立」「無効」となり、後日、出直して、やり直しとなる。

 番号の書かれた整理棚の中から出して渡してくれる紙は、日本のおみくじのようで、中国語の詩とインドネシア語が書かれている。もっと長い説明がインドネシア語で書かれた本も見せてくれ、スマホで写真を撮って後で読むように言われる。日本のように「大吉」「凶」などはないものの、良い言葉が書かれていたり、悪い言葉が書かれていたりと、内容はいろいろだと言う。

整理棚の中にあるおみくじ
整理棚の中にあるおみくじ
中国のおみくじ
福徳正神のおみくじ「53番」
おみくじ(黄色い紙)と、番号ごとに詳しい説明の書かれた本
観音菩薩のおみくじ「50番」(右の黄色い紙)と、番号ごとに詳しい説明の書かれた本の「50番」のページ

 チアム・シは、福徳正神、観音菩薩、武神のうち、どの前でやっても良い。全部の神様の前で3回やっても構わない。女性に人気なのは観音菩薩で、男性は武神の前でやる人が多いとのこと。福徳正神と観音菩薩の棒は60本あり、武神の棒は100本。棒の数や、おみくじに書かれている言葉は、寺院によって異なる。

チアム・シをやってみた、その結果は?

 私は観音菩薩の前でやってみて、最後のショープエを2回やり直した後、無事に表裏になり、「50番」をもらった。さて、書いてある言葉は?

インドネシア語からのざっと翻訳
会話の内に手順を知るべし
暗い中を見るのは完璧でない
隠された真珠こそ実は宝石
得たいと願う心もまた無益

グーグル翻訳(中国語の漢詩→日本語)
注意すべきは、進歩と後退は常に嘘であるということである
いつも暗闇を見つめていて全体像が掴めない
深く隠された真珠と翡翠は宝物です
心の中の想いは無駄だ

 ちんぷんかんぷんでまったくわからない!! 

 しかし、人生は「大吉」だの「凶」だの、そんな単純なものではない。日本のおみくじのように、ざっくりと、その年の「吉」「凶」を占う、というシンプルさも良いのだが、本当はこのぐらい、「わからない」ものなのかもしれない……。

 日本の「なんとなくの運勢を軽く知りたい」「当たるも八卦当たらぬも八卦」「半分遊び」というのとは違って、中国のチアム・シは、もっとまじめな「信仰」であり、神様の言葉を尋ねる行為なのだろう。

 日本ではおみくじは元旦に引くことが多いが、チアム・シは「いつやってもいい」「毎日やってもいい」とのことだ。何か悩み事や迷うことがある時に、チアム・シをやりに来る人が多いようだ。

 チアム・シの代金は不要で、好きな金額を賽銭箱に入れる。係の人にやり方を教えてもらったら、お礼のチップを渡しても良いだろう。

賽銭箱
廟の中に置いてある賽銭箱

Wihara Amurva Bhumi
Kelenteng Hok Tek Tjeng Sin

Jalan Prof Dr Satrio Nomor 2, RT 04, RW 04, Kelurahan Karet Semanggi, Kecamatan Setiabudi, Jakarta Selatan
https://maps.app.goo.gl/EqJ9bD6qtyDkDiiB7
6 : 00〜22 : 00
休みなし

福徳正神について

土地公さまは大地万物を守ってくださっている土地の神であり、古い言葉で「有土斯有財」‐土地又は家屋を所有してこそ財があるというように、人々の間で土地公さまは福の神…
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