『+62』読者の皆さん! 元気ですか? おいしいもの食べてますか〜? 第2回目となる今回は、サテ・カンビン(ヤギの串焼き)の店へご案内するよ。おっと、ただのサテじゃないし、ただのカンビンじゃないよ! ヤギ嫌いの人がお薦めするヤギの店……興味あるでしょう? 東ジャカルタのクボンジュルックにある「キム・テック」です!
僕はヤギ肉が好きじゃないし、ましてや熱心な愛好家じゃない。インドネシア語で「prengus」と言われる「ヤギのにおい」が苦手。サテ・カンビンを食べて、刺すような臭みに耐えられず、戻しちゃったことがあるぐらい。こんなヤギ嫌いの僕が、「キム・テック」に出会ってから、ヤギについて幸せに語れるようになったよ!
店の様子はごくシンプルなんだけど、清潔で居心地が良い。サテ・カンビンの店は普通、ヤギ肉のにおいがぷんぷんするものだけど、ここにはそのにおいもない。
注文は、まずは内もも(sate has)……えっ、8本しか残ってないの?! じゃあ、それ8本と、普通のサテ(sate biasa)を20本ちょうだい。
「モコ、いろんな部位のサテがあるの?」だって?
そう、内もものほか、マメとハツ(ginjal jantung hati)、テール(buntut)もある。僕のお薦めは、内もものサテと普通のサテ。グライ(カレー)も外せないな。
まずは内もものサテからいってみよう。僕がこれまでに食べたサテの中で一番、軟らかい! まるで和牛の肉みたいだ。タレも甘すぎず、ぴったりの味付け。ああ、幸せ……!
普通のサテだって侮っちゃいけないよ。脂を落としてあって、これまた、軟らかい。キングコイルのマットレスみたい。最後の1串まで、おいしく食べられちゃう。
グライのヤギ肉も自然にほろっと崩れるぐらいに軟らかい。スープの味は濃すぎず、これまたぴったりなんで、何も足さなくてもいいんだけど、僕は辛いのが好きなのでサンバルを少しだけ。これで完璧!
「キム・テック」はすでに3代目。キム・テックさんの孫のヨナタンさんが店内で忙しく立ち働いている。「ヤギはジャワ産で、生後1年以内、重さ10キロ以上の物だけを使っています。肉の処理も、肉と筋を丁寧に分けています。だから、臭くないでしょ?」と、ヨナタンさん。
さ、あなたも、キム・テックのサテを食べて、幸せいっぱいに語ってみて。そう、僕みたいにね。キム・テックのサテにかなう物なし!
Kim Tek
Jl. Panjang Pos Pengumben No. 8A, Kebon Jeruk, Jakarta Barat
Tel : +62(0)21-5367-8354 / 2212-2980
11 : 00 – 21 : 00
サテ(Sate Kambing Biasa)1本6000ルピア
内もものサテ(Sate Has Kambing)1本1万ルピア
ヤギのカレー(Gulai Kambing)4万ルピア
Harmoko Aguswan ハルモコ・アグスワン
通称モコ。サウンド・エンジニア。インドネシアや海外の各地で食べ歩き、その土地のソウルフードを探している。スマトラ島パレンバン生まれ。