「ワルコップ DKI バズらせるぞぉー!!」 ベタでも安定の面白さ、ワルコップシリーズ最新作 【インドネシア映画倶楽部】第129回

「ワルコップ DKI バズらせるぞぉー!!」 ベタでも安定の面白さ、ワルコップシリーズ最新作 【インドネシア映画倶楽部】第129回

WARKOP DKI:ViRaLiN dOoOoNg..!!

日本でいうと「男はつらいよ」や「釣りバカ日誌」のような、インドネシア映画のレジェンドである「ワルコップ」シリーズの最新作。元のキャストが復活し、それぞれの個性を発揮した安定のおとぼけぶりに、ベタながら、大いに笑って楽しめる。

文と写真・横山裕一

 1980年代から1990年代に大ヒットしたコメディ映画のレジェンド「ワルコップ」シリーズが2016年に新シリーズとして復活し再度人気を呼んだが、今回はその流れを汲む久々の新シリーズ第5弾。作品は近年流行のホラーコメディの影響を受けてか、ホラー要素を取り込みながらも、毎度のはちゃめちゃなドタバタぶりは健在で、大いに笑い楽しめる作品だ。

 物語は今回もドノ、カシノ、インドロの愉快な3人組が主人公。相変わらずの粗忽ぶりでホテル従業員をクビになった3人が、一攫千金を目指して、流行りの動画配信のインフルエンサーを目指す。どんなネタが反響を呼ぶか話し合った結果、やはりホラーだと決まり、3人は伝統風習の残る田舎の村へ行って、インチキなホラーでもいいからと撮影を始める。しかし、そこで3人は本物の幽霊につきまとわれ、挙げ句の果てには過去の事件にまで巻き込まれる……。

 ワルコップ新シリーズ(WARKOP DKI REBORN)は配役を一新したものの、第1作で観客動員約686万人、第2作で同約408万人と大ヒットし、往年のシリーズを彷彿とさせる人気を得たが、第3、第4作で主人公の3人を若手俳優に切り替えたためか、いずれも観客動員数は約84万人に落ち込んだ。

 それでも一般的には十分な観客数だが、このためか今回は第1作、第2作の配役に戻し、ドノをデディ・マヘンドラ・ドゥスタ、カシノをフィノ・G・バスティアン、インドロをトラ・スディロが演じている。21世紀に復活したワルコップの3人は彼らの方がしっくりくるのかもしれない。それぞれの個性を発揮したとぼけぶりは健在で、ベタなネタでもやはり笑ってしまう。

 今回はタイから2人の脚本家もコラボレーション参加している。彼らはタイのホラーコメディのヒット映画「ピー・マック」の脚本も手掛けていて、この作品はインドネシアでも「愛しのマック」(Kang Mak From Pee Mak/2024年作品)など2本リメイクされている。本作品でも「ピーマック」インドネシア版をオマージュしているようなシーンを含め、物語がかなり練り込まれていることが窺え、それだけにメインのワルコップならではの笑いも際立っている。

 「ワルコップ」はドノ(故人)、カシノ(故人)、インドロの3人を中心としたコメディアングループで、1970年代後半、コーヒー屋台(ワルコップ/Warung Kopiの略)での会話を収録したラジオ番組で人気を得て、その後「ワルコップ」の映画シリーズが始まった。映画は1980年代から1990年代にかけて大ヒットを続けて実に34作品が上映されていて、インドネシア映画のレジェンドでもある。

 同シリーズは正月やレバラン(イスラム教の断食明け大祭)休暇などに上映され、当時の人々には毎年季節ごとに楽しめる恒例の娯楽作品でもあったようだ。日本でいえば、昭和の大ヒット映画シリーズ「男はつらいよ」(48作)や「釣りバカ日誌」(22作)のようなものだろう。

 時代ごとにインドネシアの人々の笑いを産んできた、ワルコップシリーズの最新作を是非劇場で楽しんでいただきたい。

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横山 裕一(よこやま・ゆういち)元・東海テレビ報道部記者、1998〜2001年、FNNジャカルタ支局長。現在はジャカルタで取材コーディネーター。 横山 裕一(よ…
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