【賀集さんへの手紙】 「進化系」 横田恭子

【賀集さんへの手紙】 「進化系」 横田恭子

2021-08-03

 賀集さんを漢字で表したら。

 「えー。漢字でなくてもいいんじゃない?」とどこからか声が聞こえてきそうですが、思い浮かぶのは『進化系』。

 腕を怪我した翌日には「ソンケットは手を吊ることもできます」と登場。

 「余った布でね、作ったの」と見せてくれたのはくるみボタン。工房の箱の中でおはじきのようにコロコロ。柄が色々でこちら選ぶのが楽しくって仕方がない。

 バザーで値段が付いてないことが頻繁にあり「急いでたから。まだ値札付けてない。けど、これ◯◯ルピア」。これを繰り返すうちに、ある時、印刷した価格表がお目見え。
 おー!見やすい!

 発明したり、進化させたり、賀集さんの周りは新しいものであふれてた。

 でもね。工房を訪れると、汗拭き布を首にかけて『どーも、どーも』と言いながら鉄の引き戸まで来てくれる姿は、いつまでも進化して欲しくない私の好きな光景。

パチェ工房
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