2016年11月にジャカルタで開催された日本映画祭(国際交流基金主催)のオープニング作品に「ちはやふる」が選ばれました。来イした小泉徳宏監督に聞きました。

——なぜこの映画を撮ることにしたのか?

 単なる「スポーツ根性もの」ではない。百人一首という詩を扱っているのが面白い点。たくさんの物語を絡められる、と思った。百人一首は、現代のポップスの歌詞とすごく似ている。人の思いは1000年以上の時を経ても変わらない。古いが、新しい。

——マンガの実写化は、どの点が難しかったか?

 マンガは時間が止まっている。例えば、かるたを取るのは、実際は、一瞬で終わってしまう。そこに「時間」という概念を加えるのが一番難しかった。マンガの「名場面集」のようにはしたくなかったので、原作の良さは損なわずに、映画だけ見ても楽しめる映画を目指した。主人公は千早だが、まっすぐ突き進んでいくだけで、葛藤がない。太一には葛藤がある。太一をストーリーテラーにして、太一を中心に描いたのが、マンガともアニメとも違う所。

——「下の句」で、クイーンの詩暢ちゃんがグアバジュースを飲むシーンがある。原作にもないが、どうしてそういう設定にしたのか? インドネシア在住者として気になる。

 グアバジュースは日本ではニッチな飲み物で、なかなか売っていない。「よりによってグアバジュースが好き」と、詩暢ちゃんの「変さ」を出すためにグアバジュースを使った。

——続編の内容はどうなるのか?

 千早、太一、新の3人の関係に行ってもいいし、千早とクイーンの対決に行ってもいいし、いくらでも行ける。どう行くか?

——一番好きな百人一首の歌は何か?

 「逢ひ見てののちの心にくらぶれば 昔はものを思はざりけり」。恋だけに限らず、何かを知った瞬間に何かが入れ替わる。昔の自分は自分じゃなかった、生まれ変わった、という歌だ。

 
「ちはやふる」出演の野村周平さんに聞く