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 明けましておめでとうございます。去年は入院もあり、連載をお休みしたりしちゃいましたが、今年は健康第一で頑張っていきたいと思います。そのためにも、しっかり焼酎飲んで栄養補給しなくっちゃですね(笑)。

 新年恒例のshio(干支)に関する表現を編集部から指示されているんですが、あまりにも流行っている表現があるので、旬を大事にする「かたかたインドネシア」としては外すわけにはいきません。

 Om telolet om【オム・テロレット・オム】

 昨年いっぱいでJKT48を(AKB48グループも)卒業した仲川遥香ちゃんですが、先日、米メディアによるTwitterの影響力ランキングにて、女性部門の第7位にランキングされました(http://bylines.news.yahoo.co.jp/satohitoshi/20161112-00064338/)。男女とも15位まで発表されたんですが、歌手のブリトニー・スピアーズや政治家のヒラリー・クリントンよりも上位で、日本人(というかアジア)から選ばれたのは彼女だけですよ。スゴイですよね。その彼女が出版した本「ガパパ(gak apa-apa)」のプロモーションもあってクリスマス前に来日し、高橋みなみちゃんのラジオにゲストで呼ばれたりしていました。その「たかみな」のTwitterがこのフレーズで埋まっちゃったんです(https://twitter.com/taka4848mina/status/811522406309236737)。恐るべき遥香ちゃんの影響力、恐るべきインドネシア人! もちろん、インドネシアの有名人のTwitterでも、流行ってるなんてもんじゃなく、完全にスパム化してます。
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 さて肝心の意味なんですが、「おじさん、クラクション鳴らしてよ、おじさん!」って感じかな? Teloletというのはクラクションの音です。以前の「かたかた」で紹介したものに、故障中の電話から聞こえてくる機械音で”tulalit“(トゥラリ)ってあったんだけど、覚えてますか?ちょっと似てるかな? 「ブブーッ」ていう乗用車のクラクションじゃなくて「タラリララー」っていうバスなどの大型車(日本だと昔の暴走族)のクラクション音ですね。

 さて、何が面白いのかというと、正直言ってわかりません(笑)。周りのインドネシア人に聞いてみても「芸能人がテレビでやってるから流行ってるんだけど、面白いわけではなくて、ただ騒いで喜んでいるだけ」とのことです。断食明けや大晦日の花火や爆竹みたいな感じなんでしょうかねえ。意味もなく大して面白くないものが流行っちゃうのはPPAP現象と同じですね。ただ、従業員や友達に”Om telolet om”と言えば受けることは間違いありませんよ。

 今年も「かたかた」でネタを仕入れて、みんなを笑わせてください。

 ● om おじさん
 ● telolet 大型車のクラクション音
 ● tulalit 故障中の電話から聞こえる機械音。話が通じない
 ● gak apa-apa =tidak apa apa。大丈夫

 

 ayam kampus【アヤム・カンプス】

 それでは、干支の「鶏」に関する表現です。以前にもご紹介した”cakar ayam“や”jago“は大変よく使われるので、是非、マスターしてください。その次ぐらいに有名なのはayam kampusでしょうか。従業員に「何かayamを使った表現ないかな?」って質問すると、真っ先に答えるのがこれですね。売春行為をしている女子大生のことなんですが、この表現がびっくりするぐらい有名ということは、インドネシアの大学ってそんなに乱れてるんでしょうか。まあ軽く流して例文に行きましょう。

 ”Dia tiap ke kampus, kok, enggak pernah masuk kelas, sih?””Bisa jadi ayam kampus, ke kampus buat cari cowok doang.”「彼女ったらいつも大学行ってもなぜ授業受けないの?」「キャンパスには男を探しに行くだけのアヤム・カンプスだね」。”Kasihan, dia digosipin jadi ayam kampus karena enggak pernah kuliah. Padahal, dia enggak masuk karena lagi berobat.”「かわいそうに、彼女って講義に出て来ないから売春してるって噂されてるみたい。病気療養中だから授業に出ないのにね」……なんてこともあるから、ゴシップ話はほどほどに。

 ● kampus (大学の)キャンパス
 ● cakar ayam cakar=足でひっかく。鶏が足でひっかいたような字。字が汚い、悪筆、ミミズが這ったような字
 ● jago 雄鶏。名人、達人
 ● berobat 薬を飲む、治療する

 rabun ayam【ラブン・アヤム】

 ちょっとまじめな表現になっちゃいますが、これも「鶏」カテゴリーでよく使われます。夕暮れ時から物が霞んで見えることで、日本語の「鳥目」と似ていますね。トリ繋がりで覚えやすいんじゃないでしょうか。
 ”Kalau tidur sama Oma, harus dinyalain lampunya. Oma rabun ayam soalnya. Takut kebangun tengah malam terus kepaduk.” 「おばあちゃんと一緒に寝る時は必ず電気をつけたままにしなくちゃ。おばあちゃんは暗い所がよく見えないので、夜中に目が覚めてつまずかないようにね」。kepadukはtersandungなどと同じで「つまずく」という意味になります。僕も暗くなると世の中が霞んで見えるんですよね。ただ、鳥目じゃなくて焼酎の飲み過ぎなんだけど。

 ● oma おばあさん
 ● tersandung つまずく、踏み外す

tidur ayam 【ティドゥール・アヤム】

 いわゆる「うつらうつら」寝ることです。熟睡するのはtidur nyenyakとかtidur pulasで、両方ともよく使われるので、この機会に覚えちゃいましょう。
 ”Heran, deh. Akhir-akhir ini kalau tidur susah pulasnya. Tidur-tidur ayam saja, subuh baru bisa nyenyak.”「最近ぐっすり眠れなくっておかしい。ウトウトするばかりで、夜が明けるころになってようやく寝付けるの」。僕もパソコンいじりながらウトウトすることが多くって。ヒントは焼酎(以下略)。

 ● heran 驚いた、不思議な、変な
 ● nyenyak ぐっすり
 ● pulas ぐっすり
 ● subuh 夜明け、夜明けの礼拝

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 hangat-hangat tahi ayam  
  【ハーガット・ハーガット・タヒ・アヤム】

 直訳すると「まだ温かい鶏のフン」になります。恋愛に関してまだホカホカの状態、結婚直後や付き合い出したばかりのカップルに対して使われます。日本語にはない表現なので、上手に使えばインドネシア語が上手に聞こえますよ。
 ”Udah jadian berapa lama?””Baru 2 minggu, Kak.””Oooh, masih hangat-hangat tahi ayam, ya.”「そんな関係になってどれぐらい経つの?」「2週間です」「ほー、まだホカホカだね」とか”Pasangan itu mesra banget, ya.””Namanya juga pengantin baru, masih hangat-hangat tahi ayam.”「あのカップルすごく仲が良いねえ」「新婚さんだもん、まだアツアツだよ」など、使うチャンスが多いですよね。新しいカップルを見つけたら思いっきりからかってあげましょう。

 ● mesra アツアツ、甘い、親密な
 ● pengantin 新郎新婦
 ● pengantin baru 新婚夫婦

びーと(名取敬)
1993年からインドネシア在住。1998〜99年、よろずインドネシアのシスオペを務め、「かたかたインドネシア」を掲載する。2010年から『南極星』、2016年に『+62』に場を移し、好評連載中。2017年から、新連載「びーとxタケノコ先生のライフハック!」も始まりました。