「着ることでバティックを愛しなさい」(カトゥラさん)。チレボンで買ったバティックを、服に仕立ててみました!
虎子さん とらほー!とらほー!
赤い布の上で、黄色い虎が寝転んだり、かわいく腕を上げてポーズを取る、「虎の赤ちゃん」柄のバティック。賀集由美子さんが仕立てた。服の前面に「H・T」の文字、ポケットや後ろには「野球をする猫やペンギン」のワッペンを付け、遊んでくれた。
「着こなしは当然、これでしょ!」と虎子さん。下には猛虎会の黒シャツを着込み、帽子をかぶり、トラッキーのリストバンドと、一分の隙もない。
この姿で甲子園へ行ったら、引かれる、いや、注目を集めることは間違いないだろう。
虎子さん ビンタン飲み用
インドラマユで買った、星柄のようなバティック。まだ作っていないのだが、「こうしたらどうだろ?!」(上写真)とひらめいたと言う。ビンタンTシャツをつないで、ワンピースにする。「これを着て、ビンタンを飲みたい」。
虎子さん夫 自動車と花の対比
賀集さんが「切るの、緊張する〜」と言っていた、カトゥラさんの高級バティック。シャツになりました。
前に自動車柄が来るかと思ったら、前は花柄、後ろに自動車柄。1枚の絵になっている自動車柄を前にすると、絵が切れてしまう。柄をつなぐのは難しい。バティックシャツを作る時に仕立て屋さんが最も気にするのは「柄がぴったり合っているか」だ。
前身頃に持って来た花柄が、複雑な組み合わせ方で、面白い柄の出方をしている。表の華やかさと、裏のシンプルさの対比も良い。
古賀俊行さん ペン子ちゃん格子シャツ
格子柄の中に、賀集さんの人気のモチーフである「ペン子ちゃん」。ガムランをたたいたり、ベチャを引いたり、料理をしたり、雲の上で休んでいたり。ペン子ちゃんファン垂涎のシャツだ。濃淡を付けた青い格子が効いていて、男性が着てもおかしくないシャツになっている。
「オーダーはノリと勢いで。ペン子ちゃんは本誌も含めてあちこちでお見かけして、かわいくて気に入ってたんですね。チレボンにある賀集さんの工房にお邪魔した時に、あれ、なんでシャツがないんだろう?バティックと言えば普通はまず服だろ、と思って、その場で『服は作らないんですか?』と聞いてオーダーしました。それから待つこと2年半? ようやく出来上がりました」
世界でたった1つのシャツを手に入れるには、相応の粘りが必要ということか。
しかし、これ、うらやましい!
カメラマン・Y イグアナと花
顔の色写りが最も良くて選んだシャツ生地を仕立てたものだ。
問題は、Yが一般のインドネシア人に比べて非常に細身であること。吊るしのバティックシャツはぶかぶかすぎるのでオーダーで良かったのだが、あまりにも細身なので、イグアナの頭の先が切れてしまった。柄がつながらなくなるので、両端を切るしかないのだ。細身の人は、柄を選ぶ時に注意した方がいいだろう。
Yのこだわりは、バティックシャツでは珍しいボタンダウンにしたこと。「普通、ボタンダウンはないから」という、おしゃれ。
編集長 カーテンを服に
インドラマユのバティック職人、アアットさんの家の窓にかかっていたカーテン。魚たちの表情が生き生きとしていて面白く、一発で気に入った。細かく空間を埋めてあるバティックが多い中、無地の部分が多くてシンプルな線なのも気に入った。同じ布をオーダーして、ワンピースにしてもらった。「下にヒートテックなどを着れば、冬でも着られるね」と賀集さん。でも、やはりこれは海辺のリゾート(→どこ?)で着たい。