睡眠のコントロールが大切だと思うようになってから、午後6時以降はカフェインの摂取をできるだけ控えている。それは自然な入眠のためであり、予定通りの入眠は、予定通りの起床につながる。そして、予定通りの生活サイクルを回すことができる。そう信じている。
そして、コロナ禍。
自宅では、ネガティブな考えも、すがりたいポジティブな考えも、常に代わる代わる頭の中を回る。その堂々巡りの思考をスイッチ一つでオン・オフできればいいのに、現実はそうはいかない。ジャカルタでの日ごろの運動不足が、在宅勤務でさらに追い打ちをかける。こんなことではカフェインうんぬんの前に、自然な入眠など期待できない。睡眠のコントロールが難しくなった。
コロナ禍の食事はと言うと、特に夕食はデリバリーに頼ることが多くなった。お気に入りは、某店のアヤム・ゴレンのセット。アヤム・ゴレンにご飯、テンペ、キャベツ、キュウリの輪切りに、刻んだピーナッツの入ったサンバル。さらに、甘い紅茶(テ・マニス)が付いてくる。これを、午後7時から8時の間に食す。
なぜか、このテ・マニスは入眠を妨げない。素晴らしい。ゴミみたいな茶葉が浮いていたとしても構わない。諸手を挙げてファンになった。
ある時、このテ・マニスに変化があった。いつものように茶葉が沈殿していないのだ。味はさほど変わらないから、まあいいかと。しかし問題は、その後である。なかなか寝付けないのである。そもそも、紅茶といえば、カフェインが入っているものである。睡眠前に飲めば眠れなくなるのは当然だ(私の場合)。つまり、このテ・マニスは普通の紅茶になったのだろう。
では、これまで飲んでいたものは何だったのだろうか、という疑問が湧いてくる。紅茶ではなかったのか? 茶葉みたいに見えたのは実は茶葉ではなく、何らかの方法で茶色に色付けした、ただの甘い飲み物だったのか?
眠れなくなるが、ちゃんとしたテ・マニスと、眠れるが、わけのわからない飲み物……。そう言えば、以前はテ・マニスを翌日に飲んで、よく下痢したっけ。
佐藤守彦(さとう・もりひこ)
東京都生まれ。ジャカルタ在住。マーケター兼ライター。
【インドネシア居残り交換日記】
DAY 1 賀集由美子(チレボン) 2020年4月28日 怒濤の「2コマ漫画」マスク作り
DAY 2 横山裕一(ジャカルタ) 2020年4月6日 マスク越しの会話
DAY 3 西川知子(ジャカルタ) 2020年4月19日 とある休日
Day 4 成瀬潔(バリ) 2020年4月25日 嵐が過ぎるまで
DAY 6 ダグソト(ジャカルタ) 2020年4月29日 会社にヒョウが出た!
Day 7 西宮奈央(バンドン) 2020年5月6日 カボチャが採れるころ
DAY 8 池田華子(ジャカルタ) 2020年4月6日 ジャワの農村バティック
Day 9 池田華子(ジャカルタ) 2020年4月9日 子猫を拾った
DAY 10 岸美咲(ソロ) 2020年5月10日 ジャワの芸術家のエネルギー
DAY 11 松下哲也(東ヌサトゥンガラ・アドナラ島) 2020年5月10日 日曜の釣り
DAY 12 名取敬(ジャカルタ) 2020年4月某日 任天堂タイム
DAY 13 岡本みどり(ロンボク) 2020年5月10日 断食月の食事
DAY 14 賀集由美子(チレボン) 2020年5月11日 PSBB下でのバティック製作
DAY 15 武部洋子(ジャカルタ) 2020年5月19日 母は日記を書く
DAY 16 西宮奈央(バンドン) 2020年5月13日 バナナチャレンジ
DAY 17 轟英明(チカラン) 2020年3月15日〜5月24日 新しい日常
DAY 18 名取敬(ジャカルタ) 2020年4月某日 酒とテレビと囲碁タイム
DAY 19 松下哲也(東ヌサトゥンガラ・アドナラ島) 2020年5月24日~29日 魚づくしごはん
DAY 20 岸美咲(ソロ) 2020年5月27日 ガムランの「うちで踊ろう」
DAY 21 宇田川朋美(東ジャワ・クディリ) 2020年6月1日 こんな時だからこそ、家でおいしいものを
DAY 22 池田華子(ジャカルタ) 2020年5月23日 じんごろう、その後
DAY 23 西川知子(ジャカルタ) 2020年5月5日 バティック、バティック、バティック
DAY 24 岡本みどり(ロンボク) 2020年6月1日 家庭菜園ズボーラ
DAY 25 高野洋一(ジョグジャカルタ) 2020年6月2日 時間があるといろいろ考える