ペン子ちゃんトリビュート展〜賀集由美子さんの軌跡 その2

ペン子ちゃんトリビュート展〜賀集由美子さんの軌跡 その2

2022-03-16

こまつか苗「賀集さんみたいな盆栽」

こまつか苗「賀集さんみたいな盆栽」

 おもにペンギンとインコをモチーフに日本で陶芸作品を作っているこまつか苗と申します。

 賀集さんとはペンギンアート展という日本のグループ展を通じて知り合い、私はペン子ちゃんを陶芸で、賀集さんは私のキャラクター、オカンカーメンをバティックに、お互いが欲しいオリジナル作品をオーダーしあっていました。

 引き出しが多く立派な方なのに、面白いことが大好きで気さくな賀集さんは、私にとって心の姉のような存在だったので、もうおられないことが今でも信じられません。

 イラストレーターの本多トモコさんが、お友達にこのトリビュート展への出品をすすめた時、「賀集さんみたいな盆栽とか、ラブレターとか、制限はありません」と書かれたと聞き、あまりにもトモコさんのたとえが面白すぎたので、本当に盆栽を描いてみました。トリビュート作品は「賀集さんに誰が一番ウケるか」というノリでいいということでしたし。

 実際に描いてみると、バティックのモチーフのひとつ「生命樹」にも似た、実に良い画題でした。

 絶対、賀集さんにウケる自信があります。

 すごく見せたい。なのになぜここにいらっしゃらないのか。

 こんなにふざけた画題の絵を描きながら、目に涙がいっぱい溜まって困ってしまいました。

Komatsuka Nae
“Bonsai seperti Kashu-san”

Nama saya Komatsuka Nae, seniman keramik di Jepang. Saya menggunakan penguin dan burung bayan sebagai motif utama karya saya.

Saya mengenal Kashu-san dari pameran kelompok di Jepang, yaitu Penguin Art Exhibition.

Saya membuatkan keramik bergambar Penko-chan buat Kashu-san, dan beliau menggambarkan Okan-khamen, karakter saya pada batik buat saya. Kami berdua saling memesan item karya seni original yang kami inginkan.

Kashu-san adalah seseorang yang cemerlang dan memiliki banyak ide karya, namun juga suka dengan hal-hal yang lucu dan menarik serta ramah. Saya sudah menganggap beliau seperti kakak kandung saya sendiri. Hingga saat ini saya masih tidak percaya bahwa beliau sudah tiada.

Honda Tomoko-san, seorang ilustrator mengajak teman-teman supaya menunjukkan karyanya di pameran ini. Dia menuliskan “Mau membuat bonsai seperti Kashu-san boleh, atau surat cinta, apapun boleh.” Begitu yang saya dengar dan saya pikir contoh itu sangat lucu, sehingga saya benar-benar menggambarkan bonsai. Lagipula, konsep pameran ini adalah siapa yang paling bisa mencuri perhatian Kashu-san dan melucukan beliau.

Setelah saya coba melukisnya, ternyata mirip dengan salah satu motif batik, yaitu “Pohon Hidup.” Tema gambar yang sangat bagus pikir saya. Saya yakin sekali bahwa ini akan mencuri perhatian dan lucu bagi Kashu-san.

Saya sungguh ingin memperlihatkannya. Tapi kenapa beliau tidak hadir di sini. Saya gundah dan menangis, sembari melukis lukisan bertema lucu ini.

2022 | Acrylic on drawing board, 36.5×51.5cm

こまつか苗 「賀集さんみたいな盆栽」原画
「賀集さんみたいな盆栽」原画
こまつか苗 「賀集さんみたいな盆栽」制作中
「賀集さんみたいな盆栽」制作中
こまつか苗 「賀集さんみたいな盆栽」キャプション

バティック・アリリ「賀集さんみたいな盆栽」

その1

バティック・アリリ「賀集さんみたいな盆栽」
バティック・アリリ「賀集さんみたいな盆栽」
買い物をして帰って来たら、工房ではサテ・パーティー中

その2

バティック・アリリ「賀集さんみたいな盆栽」
バティック・アリリ「賀集さんみたいな盆栽」
バティック・アリリ「賀集さんみたいな盆栽」
焼いているサテの数が1本に減っている
バティック・アリリ「賀集さんみたいな盆栽」
スーツケースの模様が細かい! 模様は職人さんの自由裁量で決める

その3

バティック・アリリ「賀集さんみたいな盆栽」
チレボンらしい背景白地のバティック

 こまつか苗さんの絵「賀集さんみたいな盆栽」を見た時、「バティックのようだな」と思いました。「これをバティックにしたらどうなるだろう?」と。

 そこで、「バティック・アリリ」のアリさんに原画を渡し、バティックにしてほしいとお願いしました。指定したのは「ペンギンのお腹と富士山頂の雪は白」ということだけ。「これは松の木で、この絵は『生命樹アラ・ジュパン(日本版の生命樹)』である」といった簡単な説明はしましたが、基本的には全て、お任せしました。

 「何枚か作ってみた」と言って、出来上がったのが、こちら。

 「その1」は、かなり原画に近いバージョンです。

 「その2」になると、かなり簡略化されてきています。犬やペン子の数が減り、縫製のおじさんが縫っていた「オカンカーメン」の布は普通の布に。眼鏡をかけた「コマールさんの娘さん」は普通のペンギンになってしまっています。松の木の一部は「メガ・ムンドゥン」のように浮遊を始めました。

 「その3」は、「背景白地のテンボックでも試してみるか」と作ってみたようです。模様がこなれてきて、非常にバティックらしいバティックになってきています。

 賀集さんが愛したのは、バティックのこの自由さでしょう。「ペン子柄」だけでなく、「盆栽柄」もチレボンのバティック・モチーフとなっていくかもしれませんね。

 ずっと後になって。「この絵は何ですか?」「ボンサイ」「なぜボンサイ??」「昔、日本人が始めた、らしい……?」というような会話がどこかから聞こえて来ました。(華)

Batik Ariri
“Bonsai Seperti Kashu-san”

2022 | Batik

バティック・アリリ「賀集さんみたいな盆栽」蝋描き中
蝋描き中

本多トモコ「賀集さんみたいな盆栽」

本多トモコ「賀集さんみたいな盆栽」

今さらですが、賀集さんみたいな盆栽、描きました。まる。

この盆栽は賀集さんで、アイデアがでたらペン子ちゃんがぽん!と咲きます。

Honda Tomoko
“Bonsai Seperti Kashu-san”

2022 | Aclylic and watercolor on canvas

「賀集さんみたいな盆栽」Tシャツ
「賀集さんみたいな盆栽」Tシャツを作りました!

(つづく)