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 真っ赤でつややかな、こちらのジャム。甘やかな見た目に反して、ピリッと来ます。フレッシュなトウガラシがふんだんに使えるインドネシアならではのジャムを作ってみましょう。

 使用するトウガラシは、辛さがマイルドで、大きくて肉厚なチャベ・ブサール(cabai besar)。赤く熟れた物を選んでください。

 食感が悪くなるので種は除きますが、種が付いている白いワタの部分に辛味成分が多いので、しっかり辛いジャムにしたい場合はワタを残し、マイルドにしたい場合はワタごと種を取り除いてください。

 ジャムを作る際は通常、果肉に対して30〜50%の砂糖を使う場合が多いのですが、今回は何と言ってもトウガラシですので、多めの50〜60%を目安にします。目指すのは「ピリピリ甘い」感じです。

 ジャム単独で感じる辛さと、パンやバターなどと一緒に食べた時に感じる辛さにも違いがあります。もし辛くしすぎた場合は後から砂糖を足せばいいので、ちょっと辛めを狙って作ってみてください。加える柑橘類はお好みで。レモンやライム、みかんでもおいしくできます。

 シナモンを隠し味に、柑橘類のさわやかな風味と、後から来る辛味が魅力の、大人向けのこのジャム。チーズなどともよく合います。ジャムとしてだけではなく、調味料として料理に使うこともできます。アレンジもいろいろお試しください。

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材料
トウガラシ cabai besar 300g
砂糖 gula pasir 150g+適量
レモン、ライムなどの果汁 sari buah lemon, jeruk nipis atau jeruk lain  大さじ3*
シナモンスティック stik kayu manis  1本
*下のmemo参照

準備
ジャムを入れるガラス容器は煮沸消毒し、清潔なふきんの上で乾かしておく。

作り方
1.トウガラシを縦2つに割り、種を取り除く。ボウルに張った水の中で、指の腹でなでるようにすると、きれいに種が取れる。その後、1センチほどの幅にざく切りにし、分量の砂糖をまぶして、最低1時間、できれば一晩おく。
2.トウガラシから水分が出たところで、ブレンダーまたはフードプロセッサーを使い、細かく刻む。
3.鍋に2のトウガラシ、レモンやライムなどの果汁、シナモンスティックを入れ、火にかける。まずは中火で、煮立ったら強めの弱火ぐらいに落とし、焦げ付かないように混ぜながら煮詰めていく。アクはこまめに取り除く。水分量が約半分になったころ合いで、いったん味を見て、甘さが足りないようであれば適量の砂糖を足し、好みの濃度まで煮詰める。煮る時間は火をつけてから大体15〜20分ほど、トウガラシの赤い色がワントーン暗くなるぐらいが目安(冷めると硬めになるので、若干、ゆるいぐらいで火を止める)。シナモンスティックを取り出し、熱いうちに容器に入れて、冷めたら冷蔵庫で保存する。

*memo
果汁を搾る時に出る柑橘の種は取り分けておき、ジャムを煮詰める際に一緒に入れると、種からのペクチンで固まりやすくなります(今回は水分量の多いジャムではないので、必須ではありません)。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA西宮奈央(にしみや・なお)
イギリス出身の写真家の夫とバンドン在住。ご飯は食べるのも作るのも大好き。インドネシアで簡単に作れる料理をご紹介します。
 
 
 
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